フリーライター Sakamoto Norio ブログ

泡坂妻夫「11枚のとらんぷ」を久々に読む

1976年発表の長編第1作。奇術ミステリという新しいジャンルを切り開いた作品。あらすじ真敷市公民館の創立20周年を祝い開かれたマジックショー。細かなトラブルはあったものの、フィナーレが訪れようとしていた。出演者全員が舞台に並び、銃声を合図に美人マジシャンの志摩子が中央の「人形の家」から飛び出し終了……のはずだった。ところが、志摩子はその頃自分のマンションで殺害されていた!しかも死体の周囲には、奇術
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和久峻三「蛇淫の精」を久々に読む

1985年出版の短編ミステリ集。イソ弁・日下文雄が活躍する著者が世に送り出したシリーズ・キャラクターの一人。表題作のほか、「処刑執行人」「女の意地」「骨肉の争い」「離婚願望」の計5編を収録。あらすじと感想表題作「蛇淫の精」は三年間行方不明の妻に対する離婚訴訟の弁護を依頼された日下。少しでも資料を集めようと向かった丹後半島で奇妙な体験をする――という展開。なんちゅうか怪奇ミステリ的な感じで、独特の短
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横山光輝「織田信長」を久々に読む

1996年刊行の講談社漫画文庫版。全4巻。あらすじと感想尾張のうつけ者と呼ばれた時代から、本能寺の変までを描いたもの。信長が尾張を統一していくまでが割と丁寧に描かれている。信長といえば延暦寺焼き討ちに代表されるように残虐なイメージがあったりする人も多いようだが実はものすごく緻密で策略家の側面も持っている。特に実母からも見捨てられ四面楚歌の中、尾張統一を図っていくさまは知性に溢れていてもっと信長の知
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菊池道人「赤穂浪士の参謀―吉田忠左衛門」を久々に読む

1999年初版の歴史小説。大石内蔵助はじめ赤穂浪士の信頼が厚かったナンバー2の存在・吉田忠左衛門のお話。あらすじと感想言わずと知れた忠臣蔵のお話なのだが、大石内蔵助ではなく吉田忠左衛門をメインにしているところが魅力。古今東西、忠臣蔵の話はこれでもかとあるわけで何かしら新鮮味のある角度でいかなければ目を引くことはない。実際、大石内蔵助より吉田忠左衛門の方が大柄だったというし、終始一貫して内蔵助を支え
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藤原伊織「雪が降る」を久々に読む

1998年出版の短編集。表題作のほか、「台風」「銀の塩」「トマト」「紅の樹」「ダリアの夏」の計6編を収録。あらすじと感想「台風」はある人生という感じの話。誰でも人を殺す可能性があるという日常の狂気をうまく切り取っている。ビリヤードが話に深みをもたらしてくれる。そういや長い間やってないなあ。表題作の「雪が降る」は企業小説でもありラブストーリーでもある。「母を殺したのはあなたですね」とメールが届くあた
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船戸与一「山猫の夏」を久々に読む

1985年出版の冒険小説。著者初期の代表作。あらすじブラジル東北部にある小さな町・エクレウ。この町では長らく二大勢力の争いが続いていた。一つはアンドラーデ家、もう一つはビーステルフェルト家。互いに反目する両家の唯一の休戦場所は酒場だけ。そこで働くおれは店の娘・ソフィアといい仲。東京で学生運動の下っ端にいながら、今では流れ着いてこんなとこにいるおれ。このまま朽ち果てていくしかないのか――。そう感じて
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西村寿行「去りなんいざ狂人の国を」を久々に読む

懐かしい雑誌「GORO」の1977年10月から1978年7月にかけて長期連載された傑作アクション小説。青酸ガスによる無差別殺人が展開されるため、後にオウム事件が起きた時参考にしたのではと言われた。あらすじ関門トンネルで起きた青酸ガスによる無差別殺人。犯人は政府に50憶円を要求するが、政府はこれを拒否。すると犯人は地下鉄で無差別殺人を行い、さらに日本の全刑務所から囚人解放を要求。政府がそれを拒否し非
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笹沢左保「破壊の季節」を久々に読む

1969年初出の作品。学園紛争の中で翻弄される三人兄弟の姿がメイン。あらすじ学園紛争に揺れる東国大学。ついに全共闘派の手で大学は完全に封鎖された。そんな中、同大学医学部付属病院の助手・高垣が死体で発見される。彼は在学中の倉之部三兄弟の長男・裕一の同僚だった。次男・宏次は文学部、三男・慎三は全共闘に参加。ある日、裕一の婚約者である芙美代は宏次の殺人予告の電話を聞いてしまう。電話の相手は果たして誰か?
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池波正太郎「信長と秀吉と家康」を久々に読む

1983年初版の長編小説。天下統一を成し遂げた三代の英雄を描いた作品。あらすじと感想もともと子供向けに作られた作品とあって結構わかりやすい構成になっている。歴史小説というよりは人物解説書というか。信長・秀吉・家康という三代の英雄がリレー式に描かれている。いくさの紹介もさることながら、統治の構図がわかりやすい。信長の知性というのはもっと評価されていいと思うんだけど。だいたいうつけ者に始まる荒々しい部
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霧島兵庫「甲州赤鬼伝」を久々に読む

2019年出版の新潮文庫版。あらすじ十四歳の初陣となった長篠の戦いで敗れ、傷ついた父親を介錯し山県家を継いだ山県昌満。偉大な父と兄を一挙に失い心に深手を負い、出自を理由に家族からは総スカンの中、馬鉄砲の腕を磨くことで成長を遂げていく。赤備えの大将として復活した昌満だが、徳川の調略によって武田家の滅亡は近づくばかり。対戦相手を震え上がらせ、戦国にその名を刻んだ赤備えの運命は――という話。感想めちゃく
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