「野生時代」1978年4月号に一挙掲載された初長編作品。
「ジャッカルの日」日本版と謳われ、第5回角川小説賞を受賞した。
あらすじ
スペインの地で老人アントニオとその娘・マリアと
静かに暮らしていた混血児・劉晶林こと龍村敏。
博多出身の戦後生まれの彼は、バー出身の母親とアメリカ兵の間に生まれた。
6歳の時、孤児院からイギリス人の牧師夫妻に引き取られ、
「アイノコ」と好奇と軽蔑のまなざしが彼を襲った。
牧師は二重人格と言えるほど表裏が激しく、
本国召還になるがなぜか夫人が龍村を連れていくと激しく主張。
イギリスでは「ジャップ」「イエロー」と差別され、
ここでも龍村は屈辱に耐える日々を過ごした。
龍村が解放感を味わうことができたのは18歳になってから。
野菜市場で働いた金で射撃場に通い、銃を撃つ時だけが彼の幸せだった。
ゲリラ活動や外人部隊などで活躍し、凄腕の狙撃者として成長する龍村。
しかし平穏な日は長くは続かず、アントニオとマリアは何者かに爆殺される。
本来なら自分も葬り去られたであろうことを悟った龍村。
復讐の炎に身を包み、独裁者・フランコの命を狙うことを決意。
だが、彼の行く手には幾重にも困難が張り巡らされていた。
それらを潜り抜け、狙撃ポイントに立った龍村だが――という話。
感想
20年近く前に読んで以来、久々の読了。
今また読むと感慨が違うというか、より深く沁みるというか。
コードネームはファルコンってシンプルだけどかっこいい。
またパレスチナゲリラや日本赤軍など時代を感じるものがある。
こういう国際的なサスペンス・ロマンってのもやってみたい。