清水一行「赤い絨毯」を久々に読む

1978年出版の政治サスペンス小説。
その後の55年体制の崩壊を予見した内容。

あらすじ

時は1977年4月――。

国会の会期中に2人の社会党代議士が爆弾発言。
日韓癒着の黒い実態を暴露する証人を確保しているというのだ。

しかも明日、国会喚問すると記者会見を開いた。
社会党内部での権力争いも絡み、政界は騒然となる。

加えて各政党、警視庁公安部、KCIAなど
国内外の勢力が入り乱れそれぞれの思惑を秘め暗躍。

本当に証人がいて国会喚問できるのか?
世間が注目する中、密室状態のホテルから2人の代議士が失踪。

拉致かそれとも誘拐か――。
謀略渦巻く政界を舞台にした事件の結末やいかに?――という話。


感想

当時読むより今読んだ方が面白いのではと感じる作品。
いかに55年体制なんてもんがええかげんだったかよくわかる。
野党なんてもんが政権を本気で担う気がないのは今も昔も同じですな。

日韓癒着問題なんてこの小説読むまでそれほど詳しく知らなかった。
ロッキードの次の事件と言えばダグラス・グラマンのイメージが強い。

今も昔もいろんな問題があるのね。
この頃の韓国と言えば軍事政権末期。

実際に日本の国会でこんな証人喚問はなかったが
アメリカに亡命した元KCIA部長が様々な暴露をしたのは事実。

1973年に東京で発生した金大中拉致事件はKCIAの犯行で
しかも日本の警察は事前に情報をキャッチし警告までしていたとか。

他にも別の亡命した人間がソウルの地下鉄車両購入を巡り
日本の大物政治家に金が渡っていたとか。

証言した元KCIA部長はその後パリで謎の失踪。
ま、殺されてますわなどう考えても。

当時と今とではずいぶん政治状況も違うが、一読する価値のある作品。

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