1969年初出の作品。
学園紛争の中で翻弄される三人兄弟の姿がメイン。
あらすじ
学園紛争に揺れる東国大学。
ついに全共闘派の手で大学は完全に封鎖された。
そんな中、同大学医学部付属病院の助手・高垣が死体で発見される。
彼は在学中の倉之部三兄弟の長男・裕一の同僚だった。
次男・宏次は文学部、三男・慎三は全共闘に参加。
ある日、裕一の婚約者である芙美代は宏次の殺人予告の電話を聞いてしまう。
電話の相手は果たして誰か?
宏次の持っていたマッチに書かれていた「Yの悲劇」の意味は?
そして高垣の殺人事件との関連性は?
学園紛争が泥沼化する中、三兄弟が選んだ宿命とは――という話。
感想
時代の空気間を随所に取り入れている話。
慎三は闘争の中で、ある女と知り合う。
慎三はその女にめちゃくちゃ惚れこむが、
その女は地方の金持ちのブルジョア娘で
ただ闘っている男をもてあそぶヤリマン女に過ぎなかった。
はたまた長男・裕一は自分の実験のことしか頭になく
婚約者も同僚のことも頭にはない。
文学部でナイーブな次男は自殺志願の男。
結局、次男の宏次がある意味一番まともで謎解きをする。
しかし、結局のところそれぞれ破滅の宿命を辿る。
この中で一番翻弄されているのは三男の慎三だろう。
活動家好きのヤリマン女に弄ばれるわ、
闘争の指導者面していた奴には裏切られるわロクなもんではない。
ま、いつの世でも下っ端なんてのはこんなもんだ。
自分の立ち位置を勘違いせず、地道に生きてかんとねえ。