1992年初刊の短編集。収録されているのは「越前岬の殺人」「足摺岬の殺人」「襟裳岬殺人事件」と表題作の計4編。あらすじ(越前岬の殺人)かつては時代劇映画のお姫様役で活躍したものの、今では売れずにずるずると女優を続けている夏川陽子。その陽子に出番の多い久々の役が回ってきた。陽子は張り切って撮影に臨むが、越前岬のシーンで若い早川美紀子というタレントを本当に崖下へ突き落してしまう。落ち込んだ陽子をさらに
>>続きを読む
1976年初出の短編集。殺意の河あらすじOLの乃梨子は、売れっ子作家・笠井が週刊誌でたずね人の記事を出していることを知った。たずね人の内容が自分に似ている部分があったことから、用心しながら名乗り出てみることに。すると、とんとん拍子で結婚話が進み、週刊誌でも取り上げられて一躍時の人となるのだが――という話。感想男女の機微というか、勘違いが生んだ悲劇というか。はたまた因果応報とも言えるし、いろんなこと
>>続きを読む
1966年刊行の長編小説。もともとは1965年1月から1966年5月まで「小説現代」に連載されていた作品。1982年に火曜サスペンス劇場でテレビドラマ化。映像化は今のところこの1回だけで、近藤正臣、風吹ジュンなどが出演。あらすじ不動産ブローカーの粕谷は仕事仲間の小泉と行った赤坂の寿司屋で、元愛人の登代子と再会。登代子と一緒にいた男が一流銀行の不動産部に勤める坂本と知り、金に窮していた粕谷は新たな儲
>>続きを読む
1976年初出の連作推理短編集。「多すぎる証人」「宙を飛ぶ死」「出口のない街」「見えない白い手」「完全な不在」の5編を収録。あらすじと感想いわゆる安楽探偵もの。脳性まひを患っているが知性が並外れている少年・岩井信一と、成城署の真名部警部のコンビが難事件を解決に導いていく。いまでもなかなかこういう内容は無いかなあ。「多すぎる証人」なんかは目撃証言がいかに当てにならんもんかって話で、現代性もあるよねえ
>>続きを読む
1984年初出の法廷ミステリ。連作短編集って言っていいのかな。主人公の原田弁護士を中心に4つの話が展開される。あらすじ高沢法律事務所のイソ弁・原田恭司は、国選弁護人を断ったことがない風変わりな男。通常ならイソ弁のため、事務所の儲けになる仕事をしろと言うところだが、自然に人間を平等に見る癖がついている原田の人柄もあって、救われている人も多い。心に闇を抱えている刑事被告人の真相を解き明かしていく原田。
>>続きを読む
1965年刊行の検事霧島三郎シリーズ第二弾。1979年に高木彬光シリーズとしてテレビドラマ化。出演は竹脇無我、小野寺昭、松原智恵子、多岐川裕美、岸田森、片桐夕子、風吹ジュンなど豪華。観たいなあ。あらすじバリバリの証券マンとして大金を稼いでいた瀬川だが、好事魔多しとはよく言ったもので事故を起こして証券会社を退職、独立して商売を始めても大コケして、今ではオンボロ会社で細々と暮らしていた。その瀬川に棚ぼ
>>続きを読む
1975年刊行の長編ミステリ。1980年に土曜ワイド劇場でテレビドラマ化。主演は岡田英次&大空真弓。再放送してくれんかねえ。あらすじ相互銀行を定年まで勤めあげて退職した巽耕平は、その記念に妻・治子と車で旅行を計画した。かつて銀行で部下であり、妻の同僚だった4人の元OLを訪ねる旅で、夫婦はそれぞれの目的があった。ところが、行く先々で彼女たちは変死を遂げる。事件の根は、16年前に銀行で起きた不可解な出
>>続きを読む
1967年刊行の検事霧島三郎シリーズ第5弾。1979年に高木彬光シリーズの一つとして連続テレビドラマ化。主演は竹脇無我。野際陽子、多岐川裕美、津川雅彦などが出演。あらすじ愛した男・直樹と結ばれるため、直樹の妻・初恵を殺害することを決意した律子。直樹と共謀して完全犯罪を企み、初恵を葬るも、律子自身が何者かに襲われ重傷を負う。大やけどを顔に負い、包帯でぐるぐる巻きの中、律子は初恵を装って病院で過ごすこ
>>続きを読む
1969年刊行の鬼貫警部シリーズ。1990年に土曜ワイド劇場、1995年に火曜サスペンス劇場で映像化。あらすじ声楽家の久美子と伴奏ピアニストの重之。二人は夫婦だったが、三月の暖かい日曜日の昼下がり、浜辺の歌を練習している最中、些細なことがきっかけで不仲に。重之が私立探偵を雇って久美子を追った結果、浮気していたことが判明し、二人は離婚することに。これがきっかけで浮気相手と思われた放送作家が殺され、重
>>続きを読む
1989年初版の長編法廷ミステリ。弁護士・朝日岳之助シリーズの第2弾にあたる。1990年に火曜サスペンス劇場でテレビドラマ化。主演は小林桂樹。ゲストは川上麻衣子、池田政典、岩本多代など。あらすじ北九州で会社社長が何者に殺害された。殺人容疑で起訴されたのは社長の娘・美佳子との結婚を断られていた従業員の竹之内。事件当夜のアリバイもなく、本人の自白もあり容疑は決定的に。しかし、老弁護士・朝日岳之助は竹之
>>続きを読む