清水一行「勇士の墓」を久々に読む

2001年刊行の長編企業小説。

あらすじ

終戦の年に島根県の津和野で生まれ、
東大紛争の年に東大法学部を卒業して
大日本電話公社に入社した五十一歳の玉城。

同期のトップを切って人事係長に昇進し、
家庭を顧みなかったため離婚はしたが、
公社民営化後も内部の荒波を潜り抜け着実に階段を上っていた。

ところが、自分を引き上げてくれた外部組の社長が
未公開株事件で退陣すると、社内守旧派によって地方に飛ばされる。

出身地の島根で支店長をしている玉城のところに
ベンチャービジネスに秀でた星野が接近してきて
玉城の運命は大きく変わっていくことに――という話。


感想

モデルは日本電信電話公社で、現在のNTT。
未公開株事件とはもちろんリクルート事件の話。

刊行されてから二十年以上経つとさすがに中身は古いが、
なんちゅうか歴史を振り返る上ではいいかも。

とはいえ、結構モデルがわからんって話になるかなあ。
その時代を過ごしてきた人にとっては、
どうにかこうにかわかるんだけど。

そのあたりが、こういう内容書く時の難しさかもしれんね。
結構、政財官の問題がよくわかるのだが、
主人公に魅力がイマイチ欠けるかなあ。

ビジョンというかね、能動性が足らんというか。
ピタッと来る設定の難しさをあらためて勉強した一冊。

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