1994年出版の新宿鮫シリーズ第4弾。第110回直木賞受賞作。映像化もされている。あらすじ若者たちの間で流行っている「アイスキャンディ」。その正体は覚せい剤だった。密売ルートを追う鮫島だが、これまでの傾向と違うことに気付く。麻薬取締官の塔下と時には敵対しながら捜査を進めていく。やがて地方財閥の関りとある組のつながりを掴む鮫島。それぞれの野望を胸に突き進む面々を相手に、過去の事件も重なってついに鮫島
>>続きを読む
2015年第14回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。新しいタイプのアート・ミステリーとして評価を受けた作品。あらすじ佐和子は画廊経営者・唯子のアシスタント。安い給料でこき使われているが、家がもともと芸術肌なのもあり唯子に何となく評価されてることもあり働いている。唯子の画廊のウリは全く姿を現さない謎の現代芸術家、川田無名の作品。ところがある日、唯子が何者かに殺され容疑者として無名が追われること
>>続きを読む
2009年出版の十津川警部シリーズ。元部下の橋本もちょっとだけ登場。あらすじ老舗デパートの元副社長秘書が絞殺された。被害者の名前は十文字多恵子。32歳。彼女の豪華マンション暮らしに疑問を抱く十津川警部。友人の田島から彼女が「修善寺わが愛と死」というタイトルの小説をコンクールに応募していたことを知り、読んでみるように田島から渡される。その小説は彼女が鎌倉幕府・源頼朝から三代の興亡になぞらえて元職場の
>>続きを読む
2018年出版の作品。「任侠書房」「任侠学園」「任侠病院」に続くシリーズ第4弾。今回は銭湯が舞台。阿岐本組長、代貸・日村ら個性的な面々が大活躍。あらすじ東京のとある街に事務所を構えている阿岐本組。昔気質の阿岐本組長に代貸の日村は振り回されっぱなし。これまで出版社、高校、病院と他人が見放した物件を次々と再生する役割を担ってきた。人から頼まれると嫌と言わない阿岐本組長。今回は赤坂の路地裏にある赤字の銭
>>続きを読む
1982年出版の著者唯一無二の時代小説。もともとは「阿州太平記 花と剣」のタイトルで徳島新聞に1975年12月から1976年4月にかけて連載されたもの。1983年にフジテレビで田村正和主演で映像化された。あらすじ時は徳川五代将軍綱吉の頃。幕閣である柳沢吉保と酒井但馬守の権力闘争が続いていた。同じ頃、阿波二十五万石も真っ二つに割れていた。。妖術使いの兵法家・秋山幻斎によって国家老・勝浦主馬は呪殺され
>>続きを読む
木枯し紋次郎シリーズの第5弾。表題作のほか、「馬子唄に命を託した」「海鳴りに運命を聞いた」「駈入寺に道は果てた」「明鴉に死地を射た」の計5編を収録。「夜泣石は霧に濡れた」は紋次郎とこんにゃくの秘話。間引きにこんにゃくで口をふさぐというのはこの時代普通にあったのだ。現代の児童虐待どころの騒ぎではない。ま、そうしなきゃ食えなかったわけだが。それを知る幼馴染との対決もあり、読みどころの多いエピソード。テ
>>続きを読む
1993年出版の新宿鮫シリーズ第3弾。あらすじ鮫島は同級生でマルサの滝沢と新宿にいた。古売屋の三森の顔を教えるためだったが、その後新宿の高級娼婦の元締めである浜倉と出会う。何となくウマが合う二人だったが、次の日浜倉が謎の死を遂げる。事件に迫る鮫島の前にある産婦人科が浮かび上がるが、真相に迫ろうとした瞬間、突然汚職の容疑が鮫島に降りかかる。さらには三森殺害の嫌疑までかけられ、滝沢も電車に轢かれ即死。
>>続きを読む
2001年出版の珠玉の短編集。表題作のほか、「黒の記憶」「蘇える過去」「夜の密戯」「優しい脅迫者」の計5編を収録。表題作「歪んだ朝」は第2回オール読物推理小説新人賞受賞作。山谷を舞台にいたいけな少女の死の謎を刑事が追いかける話。ラストの少女の小学校での作文が切ない。好きな短編。「黒の記憶」は昭和36年「宝石」誌に掲載されたデビュー作。タイトルのつけ方は松本清張を意識したものなのだろうか。後に山村美
>>続きを読む
2016年出版の短編集。「レット・イット・ブリード」「デッド・オア・アライブ」「チープスリル」「ファミリーアフェア」「ダメージ・インク」「イーブル・ウーマン」「ランブリン・ギャンブリン・マン」の計7編を収録。あらすじ美人社長・野宮綾子が率いる人材派遣会社「NAS」。ここには元警官から元自衛官まで命知らずの男が勢ぞろい。ヤクザの用心棒だろうがテロリストの捕獲だろうが何でもござれ。金さえつまれりゃ何で
>>続きを読む
1982年の文庫版。高校時代にこれでもかと読みまくった思い出の小説。あらすじ幼馴染の手塚と阿木は大学のラグビー部。大財閥の息子でラグビー留学から帰ってきた阿木に対して、手塚はその家に住み込みで働く運転手が父の仕事だった。立場がずいぶん違う二人だったが、不思議とウマが合っていた。大学生活があと半年と迫った時、これまでともに歩んできた道からそれぞれの道が始まってしまう。二人はそれぞれの思いを抱えて最後
>>続きを読む