第28回江戸川乱歩賞受賞作・岡嶋二人「焦茶色のパステル」を久々に読む

1982年第28回江戸川乱歩賞受賞作。1985年に土曜ワイド劇場で映像化。競馬ミステリ―を本格的に世に送りだした作品として知られる。あらすじ東北の牧場で発生した謎の連続殺人事件。被害者は牧場長と競馬評論家。それとともにサラブレッドの母子、モンパレットとパステルまで狙撃され死亡。さらに前の週には競馬評論家と密談していた獣医学の講師まで殺害されていたことが発覚。競馬評論家と離婚するはずだった香苗と友人
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西村京太郎81「都電荒川線殺人事件」を読む

1984年出版の短編集。主人公は「北帰行殺人事件」で登場した青木亜木子。表題作のほか、「十和田南への旅」「四国情死行」「宮崎へのラブレター」「湯煙の中の殺意」「祇園の女」「サロベツ荒野で死んだ女」「白樺心中行」の計8編を収録。あらすじと感想「都電荒川線殺人事件」白昼都電の車内で、盲目のマッサージ師が毒殺される。容疑は薬剤師である彼の妻にかけられる。毒物がカプセルに仕込まれたヒ素であったことから妻の
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第49回江戸川乱歩賞受賞作「翳りゆく夏」を久々に読む

2003年出版の第49回江戸川乱歩賞受賞作。2015年にWOWOWで渡部篤郎主演で連ドラ化された。あらすじ二年前のある出来事で社会部を追われ窓際社員となった梶。その梶が、再び浮上のきっかけをつかめるかもしれない事態が。週刊誌がスクープした「誘拐犯の娘が新聞記者に内定」。そんなことがあるわけがないと、社名を受けて梶は20年前の新生児誘拐事件の再捜査を開始する。退職刑事の捜査ノートを基に孤独な調査に乗
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名短編集・西村京太郎43「一千万人誘拐計画」を読む

1979年出版の短編集。表題作のほか、「受験地獄」「第二の標的」「白い殉教者」「天国に近い死体」の計5編を収録。「受験地獄」は社会派風刺ミステリー。結末のどんでん返しもさることながら、アイデアが抜群。1982年火曜サスペンス劇場、2014年ヤングサスペンス企画と2度映像化。1982年は太川陽介や倉田まり子、2014年は三浦春馬、城田優、瀧本美織らが出演。1982年版は火曜サスペンス劇場の中でも人気
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第15回日本ミステリー文学大賞新人賞「クリーピー」を読む

2011年第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。著者の前川裕さんは教授なんだねえ。2016年に黒沢清監督、西島秀俊主演で映画化された。あらすじ大学で犯罪心理学を教えている高倉。ある日、同級生の刑事・野上からある事件の分析を依頼される。それを境に妻と二人、平和に暮らしていたのが一変。野上が謎の失踪、学生同士のストーカー事件、向かいの家が出火し、二人しかいないはずの家から3つの焼死体。カギを握る
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西村京太郎38「現金強奪計画 ダービーを狙え」を読む

1978年出版の作品。トラベルミステリー爆発前のピカレスクロマン小説。あらすじ途方もない計画を考えた若い男・唐木。東京競馬場で行われる日本ダービーの売上金20憶をそっくり頂こうというのだ。唐木は目を付けた男女6人に声をかけていく。カメラマン、ヘリコプター操縦士、爆弾を作れるかつての活動家。周到な計画に沿って準備を始める七人の男女。だが、裏切り者の存在を示す密告の手紙が出回る。日本ダービー当日になり
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第9回横溝正史ミステリ大賞佳作・姉小路祐「真実の合奏」を久々に読む

1988年応募の著者のデビュー作。ストレートな社会派法廷ミステリが清々しい。火曜サスペンス劇場「朝日岳之助シリーズ」の原作。小林桂樹主演で人気を博した。あらすじ警備員が刺殺され金庫が破られた。大阪で起きたこの事件で逮捕されたのは前科のある塩川という男。塩川は無罪を主張していたが、執拗な取り調べの末に自白。有罪は確実かと思われたが、塩川の妹が弁護士を連れてきた。その男の名は朝日岳之助。過去に冤罪で友
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第14回このミス大賞・隠し玉作品「何様ですか?」を読む

2016年出版の第14回このミス大賞・隠し玉。今流行りのスクールカースト的話と、イヤミス感全開の作品。あらすじ中学時代に義父からレイプされた経験を持つ女子高生・美和。義父に殴り殺された弟「ユウちゃん」としか会話できない。意識高い系を気取る痛々しい感じだが、ユウちゃんの囁きのままにある計画を実行しようとする。一方、これまた意識高い系の女子高生・穂乃果。こちらは読んだ本の感想はじめブログを熱心に書く少
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時代小説・多岐川恭「闇与力おんな秘帖」を読む

1979年出版の連作時代小説。「女囚お葉初仕事」「奥御殿無残絵」「女けもの道」「お葉流れ花」「黄金色の闇」「甲斐熊一件の始末」「かつがれた裸身」の計7編を収録。あらすじ牢屋敷見廻り与力、町村半次郎。誰からも怠け者と目され、とても真面目に務めているとはいえない人物。しかし、ひとたび妾同様のお酉の家に入ると表情が変わる。配下の同心、八木新助と熊野理右衛門を使い裏のありそうな事件をかぎつける。そして悪事
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歴史小説・伴野朗「国士無双」を読む

1995年出版の歴史小説。国士無双と謳われた天才武将・韓信の生涯を描いたもの。あらすじ項羽と劉邦の天下分け目の戦い。劉邦が勝利した要因の一つは天才武将・韓信がいたことだった。有名な「股くぐり」の屈辱に耐えなかなか評価されず不遇の時代を過ごしながら大将軍の座を得て戦場で一度も敗れることなく「国士無双」と謳われた。「彼がいなければ天下は取れなかった」と劉邦に言わしめた手腕。兵法の常識を破った「背水の陣
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