1978年刊行の本格ミステリ。1989年にはフランス犯罪小説大賞受賞の栄誉に輝いた。1982、1989、2011年と3回テレビドラマ化されている。あらすじパリ郊外で出会った男と女。一夜の甘いラブロマンスに酔った男は正義感を発揮したばかりに干されている大学助教授。ところが、自分を干していた大学教授が何者かに殺された。いろいろ話を聞いてると教授を殺したのはパリで出会った女らしい。男は女から交換殺人を持
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1982年刊行の本格ミステリ。著者・夏樹静子の代表作の一つとして有名。1983、1986、2001、2010、2012、2019と実に6度にわたりテレビドラマ化されている。映画化は1984年。主演は薬師丸ひろ子だった。毎度おなじみ角川映画。あらすじ日本有数の製薬会社である和辻薬品。その和辻一族が正月、富士山に近い別荘に集まった。ここで楽しかったね、はいさようならではミステリにならない。当然のごとく
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1987年出版の長編サスペンス。映像化作品がないのが惜しいぐらい面白さがある。あらすじ東洋テレビのディレクター、立原涼子。昼のワイドショーを精力的に手掛けていたが、世代交代を非情に進める組織の前に閑職に追いやられることになった。落ち込む涼子だが、追いかけていた看護婦殺しが起きたクリニックで爆破事件が起こる。しかも、偶然通りがかった学生が撮っていたビデオから犯人らしき女性の姿を見て驚く涼子。それは以
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1981年出版の長編医学サスペンス。同年に火曜サスペンス劇場でテレビドラマ化。出演は加山雄三、芦田伸介、加賀まりこ、吉沢京子など。あらすじ日本一の医療法人を目指し、利益拡大に驀進する男、現台宗八郎。宗八郎の辣腕によって、医療法人誠心会は大きく伸びるがそのワンマンぶりに問題が。実の子でありながら宗八郎の営利主義に立ち向かう外科部長・村瀬信彦。村瀬の異母弟である現台尚治は脳力にも品格にも劣るが、宗八郎
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1978年出版のノンフィクション・ノベル。滋賀銀行九億円横領事件の内容を裁判記録によって描いたもの。後に起こる足利銀行事件、三和銀行オンライン事件と並んで女子行員による銀行犯罪事件として名高い事件の話。あとがきにもあるが、女性の犯罪者は男性よりも年齢層が高いという。うぶなオールドハイミスが男の味を知って溺れていき、詐欺に手を染める――。下世話な見方をすればそのまんまなわけだが、その裏にあるものとい
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1982年出版の角川文庫。「汚れた油田」「法王の隠し金」「裏切り」の3本を収録。スプロの女殺し屋、エミー初登場作。あらすじと感想「汚れた油田」は初出が野生時代1977年7月号。エミーこと小島恵美子の初登場作。ロンドンに本拠がある国際秘密組織スプロ。エミーはスプロと契約を交わしているエージェントというか執行人。スプロ日本支部のエースであるエミーは、レズでサディスト、パーフェクトボディ。例えるなら峰不
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1997年出版の時代小説。忠臣蔵を新しい視点から描いた作品で、討ち入り後の彼らの処分に頭を悩ます柳沢吉保が主人公。あらすじ幕閣を驚かせた吉良邸への赤穂浪士の討ち入り。主君である浅野内匠頭の仇討ちを果たした彼らは忠臣か、それとも天下泰平の世を乱した罪人なのだろうか。老中・柳沢吉保は五代将軍・綱吉と他の老中との板挟みの中、解決方法を模索していくのだが、その辿り着いた先は――という話。感想めちゃくちゃ面
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1984年出版のラブサスペンス。1986年火曜サスペンス劇場でテレビドラマ化。タイトルは「妻の疑惑」で主演は浜木綿子、井川比佐志、宮下順子など。あらすじ倉本雪絵は女ざかりの人妻。大手生命保険会社に勤める夫・洋平、2人の娘とともに幸せな日々。隣の主婦は夫とのセックスに満足できないらしく倉本家の様子を根掘り葉掘り雪絵に聞いてまわる。雪絵は恥じらいながらもそれに答え、それがまた洋平との夜の生活を燃え上が
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1997年出版の水木警部補シリーズ。翌年に火曜サスペンス劇場「取調室9」としてテレビドラマ化。主演はもちろんいかりや長介、ゲストは岡田茉莉子、下川辰平など。著者本人も特別出演していたとは知らんかった。あらすじ三流大学生の小田島美和。男好きで淫乱な彼女は手当たり次第に男と寝る。そのため、長続きした試しはないが同じ大学に通う赤石だけは一年続いた。その赤石に美和は養父母殺しの計画を打ち明ける。美和は病院
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1988年出版の短編集。表題作のほか、「暗い光」「バイバイ・アリバイ」「うぶな娘」「初恋」「阿見の女」「盲点のひと」の計7編を収録。あらすじと感想「暗い光」は週刊小説昭和62年9月4日号。夫の転勤で蛍が見える田舎に引っ越してきた人妻のわたし。暑い夏にうんざりしているが、そんな中同居している甥の啓吾に殺人容疑が――という話。1989年の乱歩賞作家サスペンスで映像化。出演はかたせ梨乃、倉田てつを、寺田
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