1977年出版の作品。スケールのでかい傑作サスペンス。あらすじ警視庁特別捜査官の伊能は姉との約束を楽しみにしていた。しかし姉と会うはずだったホテルは爆破テロにより大惨事。伊能は姉を失いテロリストに復讐を誓う。敵は過激派か謀略組織の陰謀か。伊能は執念で手がかりをつかむがターゲットには逃げられ捜査官を首になる。新宿の次は上野が火の海と化し、来日中のインドネシア石油相は暗殺され政府は大混乱。背後で糸を引
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1966年発表の著者のデビュー作。現代のように経済小説が一つのジャンルとして認知されていない時代に、その斬新な内容と発想が話題を呼びその後の経済小説の興隆を生んだ。あらすじ戦前、興業証券に入社したが兵隊にとられて退社。戦後、魚のブローカーとして働いていた山鹿に興業証券創業者の大戸から誘いがかかる。最初は渋っていた山鹿だが、結局興業証券に復帰。一からやり直した山鹿は神武景気・岩戸景気の中、独自の発想
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1965年出版の作品。もともとは前年「平凡パンチ」に連載されていたもの。同年と1978年にドラマ化されている。特に1978年版は主人公の刑事に萩原健一、宇津宮雅代、中村嘉葎雄、山崎努など豪華な布陣。監督は工藤栄一、田中徳三。主題歌は柳ジョージ&レイニーウッド「雨に泣いてる weepinng In the Rain」。あらすじ伊豆海岸を走るバスに突然撃ち込まれる一発の凶弾。バスは乗客27人もろとも崖
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1992年出版の作品。1993年にNHKで連ドラ化され、翌年には続編が制作された。あらすじ1987年春――。自動車用照明機器メーカー・大成照明器のオーナー社長浜岡茂哉は海外事業部長の長男・祥吾とともに日本を代表する自動車メーカーである東京自動車の二宮副社長に呼びつけられた。一方的に社長交代を宣告され、経営権を奪い完全な管理下に置こうというのだ。いかに系列会社であるとはいえ、大成照明器は独立した企業
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2012年出版の作品。BSE問題、食品偽装を扱った警察小説。2013年にWOWOWで連続テレビドラマ化。あらすじ身体を壊し警視庁捜査一課継続捜査班に所属する田川信一警部補。ある日、発生から2年が経ち未解決になっている事件の捜査を命じられる。「中野駅前居酒屋強盗殺人事件」がそれだ。2人の男が殺害された事件だが、当時の捜査本部は2人に面識がなかったことから犯人を金目当ての不良外国人に絞って捜査していた
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2015年出版の傑作短編集。「砕けて殺意」「流れ藻」「突然のヒマワリ」「バラの中の死」「暗い光」「木の上の眼鏡」「木に登る犬」「鶯を呼ぶ少年」の8編を収録。もう抜群にうまい。乱歩賞受賞作の「蝶たちは今…」はだいぶ前に読んだけど正直そんなにいいとは思わなかった。しかしこの短編集は素晴らしい。1982年に日本推理作家協会賞を受賞した「木に登る犬」「鶯を呼ぶ少年」はもちろん、「砕けて殺意」「流れ藻」がう
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1982年出版の作品。2016年にテレ朝で映像化。あらすじ来日したキャサリンはひょんなことから女子大生・田中美子の誘拐事件を知る。身代金5千万を支払ったにも関わらず人質が返ってこないのだ。美子は旧知の浜口助教授の教え子で旧家の一人娘。キャサリンは美子を救おうと起死回生の奇策に出る。なんとアメリカの富豪から誘拐された美子に200万ドルの遺産が送られるとのニュースをでっちあげ発表したのだ。さらに偽の美
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1977年出版の作品。「サンデー毎日」連載。女性検事が主人公なのは当時珍しいことだった。連載中にTBSで連ドラ化され、2016年にも単発でドラマ化。あらすじ名古屋地検の検事・千鳥朱子。交通事故で入院中の妻がいる服飾企業のMD郷原と飛騨の旅に。ひょんなことからつり橋でOLの昌代と顔見知りに。ある日、名古屋市内で傷害致死事件が。参考人として朱子の前に現れたのは昌代だった。加害者である未成年者・奥平との
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「楊貴妃の亡霊」「新宿のキリスト」「赤ちゃんを産んだ男」「鏡の向こうに誰かいる?」の4編を収録。「楊貴妃の亡霊」は関門トンネルを使ったアリバイトリックが魅力の作品。ご当地ミステリーの面白いところは、その土地ならではのものを利用していることだがまさにその代表的な作品かも。これはそこがわかってないと作りようのないミステリーやねえ。起訴された容疑者が公判になると無実を主張。しかも第二の事件が起こり、赤か
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2011年出版の傑作選第2弾。「紅葉の下に猫がいる」「九官鳥は偽証する」「盗人神様」「赤かぶ検事転勤す」の4編を収録。第1弾よりは傑作選というにふさわしい内容。「紅葉の下に猫がいる」は廃村の寺に住み着いた坊主をめぐる事件。鉄壁のアリバイを赤かぶ検事がどうやって崩すかが見どころ。また、コケ盆景に凝る赤かぶ検事の姿がユーモラス。タイトルの意味はラストでわかるつくりになっている。「九官鳥は偽証する」はあ
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