1994年出版の新宿鮫シリーズ第4弾。
第110回直木賞受賞作。映像化もされている。
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あらすじ
若者たちの間で流行っている「アイスキャンディ」。
その正体は覚せい剤だった。
密売ルートを追う鮫島だが、これまでの傾向と違うことに気付く。
麻薬取締官の塔下と時には敵対しながら捜査を進めていく。
やがて地方財閥の関りとある組のつながりを掴む鮫島。
それぞれの野望を胸に突き進む面々を相手に、
過去の事件も重なってついに鮫島の恋人・晶まで巻き込んで――。
鮫島は窮地に陥った晶を救い出すことができるのか――という話。
感想
直木賞受賞作だけあってシリーズの中でも重層な構成。
クライマックスに向かって、それぞれ疾走する様は読みどころ満載。
警察小説をメジャーなものにした新宿鮫シリーズだが、
バブル絶頂期に始まったこの一連の作品がなぜ人気が出たのか。
テレビで刑事ドラマが流行らなくなっていた反動なのか。
その後起きるドツボにはまった社会への先取りなのか、いまだにわからない。
もちろん小説に魅力があり、鮫島や桃井、晶のキャラクターの力の
素晴らしさとかそういった点はわかるのだが。
ガチガチの組織の中で孤高を貫く鮫島の姿勢なのか。
新宿が舞台だったからか、女性も読みたいと思ったハードボイルドだからか。
そのあたりいろいろと考察したいもんである。