時代小説・結城昌治「始末屋卯三郎暗闇草紙」を読む

1976年出版の時代小説。幕府御家人・筧卯三郎。関口無心流柔術の達人で闇から闇へともめ事を始末することから、人呼んで「始末屋」と呼ばれている。収録作品は「娘のいのち濡れ手で千両」「深情け不義の手違い」「初不動地獄の証文」「都鳥遺恨の簪」「つつもたせ濡れ場の筋書」「河内山冥途の路銀」「水子地蔵由縁の枕絵」の計7編。各話には国定忠治、鼠小僧、平手造酒、竹井の吃安、弁天小僧菊之助、河内山宗春、渓斎英泉と
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時代小説・笹沢左保「木枯し紋次郎(4)無縁仏に明日をみた」を読む

木枯し紋次郎の光文社時代小説文庫第4弾。「無縁仏に明日をみた」「暁の追分に立つ」「女郎蜘蛛が泥に這う」「水車は夕映えに軋んだ」「獣道に涙を捨てた」の計5編を収録。「無縁仏に明日をみた」は紋次郎が子供に刺されてしまう珍しい話。どうにか窮地を脱して一人歩くラストの描写が素晴らしい。テレビシリーズ第17話の原作。ゲストは野川由美子、稲葉義男など。「暁の追分に立つ」は紋次郎らしさ全開話。明日のない身の生き
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死神シリーズ6・西村寿行「涯の鷲」を読む

1990年出版のシリーズ第6弾。世界のあらゆるスパイの実名が乗っているマイクロフィルムを巡り、死神コンビが活躍する話。あらすじソープに売り飛ばす予定の女を味見していた伊造。ところが、謀略活動を目撃していたと思われて囚われの身に。情報を聞きつけた中郷と伊能の死神コンビ。情報機関が狙うものが世界のスパイの実名を記したマイクロフィルムだとわかるや、伊造たちとの交換を要求。ところが、襲われマイクロフィルム
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死神シリーズ5・西村寿行「母なる鷲」を読む

1987年出版の死神シリーズ第5弾。今回も中郷と伊能コンビが暴れまくる展開に。あらすじ飛竜組組長の伊造は釣りをしている最中、モーターボートが巨大な蛸によって海中に飲み込まれるのを目撃。その一方、皇居のお堀に出るはずのないイイダコが発生。人々が群がる中、突然爆発するという異常事態に。何者かが生物爆弾を発明したのか?生命工学を駆使した新しいテロ活動に死んだと思われたあの男の影が。世界を混乱に陥れようと
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死神シリーズ4・西村寿行「鷲の巣」を読む

1985年初出の死神シリーズ第4弾。バイオレンスコンビの中郷・伊能に加え、いじられキャラの飛竜組の親分・伊造などが登場。あらすじ元警視庁公安特科隊長だった中郷と伊能。世界を飛び回り国際テロ組織を3度殲滅し死神と呼ばれた彼ら。今はクルーザーで遊びまくる日々だったが、彼らに平穏な日々など訪れようはずもない。焼津沖で若い女を外国に売り飛ばす勢力をウォーミングアップ代わりにぶっつぶした後、またまた警察庁長
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警察小説・堂場瞬一「埋れた牙」を読む

2014年出版の警察小説。舞台は吉祥寺。いわゆる「街」ミステリーの一つ。あらすじ捜査一課から地元の武蔵野に転出した刑事・瀧。地元の守護者となるべく日々を過ごす瀧のもとに旧友の長崎から姪が行方不明という相談が持ち込まれる。交番勤務から刑事課に引き上げられたあかねとともに捜査にあたる瀧だが、捜査を進めるうちに10年ごとに似たような失踪事件が起きていることに気付く。長崎の姪は市議会議員の選挙活動を手伝っ
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時代小説・笹沢左保「木枯し紋次郎(3)六地蔵の影を斬る」を読む

木枯し紋次郎の光文社時代小説文庫第3弾。「六地蔵の影を斬る」「噂の木枯し紋次郎」「木枯しの音に消えた」「雪燈籠に血が燃えた」の計4編を収録。紋次郎のトレードマークの一つである左頬の傷跡と楊枝を加えている由来が語られる「木枯しの音に消えた」が個人的にはベスト5に入る。まだ紋次郎が二十歳前の頃、斬り合って手傷を負い花田源左衛門という浪人の小屋に逃げ込みしばらく厄介になった。左頬の傷跡はその時源左衛門が
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時代小説・笹沢左保「木枯し紋次郎(2)女人講の闇を裂く」を読む

木枯し紋次郎の光文社時代小説文庫第2弾。「女人講の闇を裂く」「一里塚に風を断つ」「川留めの水は濁った」「大江戸の夜を走れ」「土煙に絵馬が舞う」の計5編を収録。紋次郎が渡世人となった事情が語られるのが「女人講の闇を裂く」と「川留めの水は濁った」。貧しい農家の6番目に生まれた紋次郎。生まれた直後に間引きされかかるが、姉のお光の機転によって命を救われる。そのことを後から知った紋次郎は無口な少年に。(そり
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時代小説・笹沢左保「木枯し紋次郎(1)赦免花は散った」を読む

光文社時代小説文庫から以前出ていたシリーズもの。記念すべき木枯し紋次郎初登場作「赦免花は散った」から「流れ舟は帰らず」「湯煙に月は砕けた」「童唄を雨に流せ」「水神祭に死を呼んだ」の計5編を収録。最近「時代劇本格ミステリ」というのが流行りつつあるらしいが木枯し紋次郎なんかはその先駆けともいえるのでは。なんせ著者の笹沢左保さんはもともと本格ミステリのお方。時代小説にどんでん返しを持ち込んだ功績はとてつ
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傑作時代小説・隆慶一郎「一夢庵風流記」を久々に読む

平成元年出版の傑作時代小説。主人公は戦国末期の時代を生き抜いた前田慶次郎。マンガや舞台にもなり前田慶次郎=傾奇者のイメージが付いた。あらすじ時は戦国末期。天下の傾奇者として名をはせた前田慶次郎。剛毅ないくさ人でもあり風流を愛した人でもあった。自由を愛し奔放苛烈に時代を生きた男の生きざまとは――という話。感想久々に読んだがやっぱり面白すぎる。もともと最初読んだ時はドラマの企画書を書く目的だったのだが
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