西村京太郎315「歪んだ朝」を久々に読む

2001年出版の珠玉の短編集。
表題作のほか、「黒の記憶」「蘇える過去」「夜の密戯」
「優しい脅迫者」の計5編を収録。

表題作「歪んだ朝」は第2回オール読物推理小説新人賞受賞作。
山谷を舞台にいたいけな少女の死の謎を刑事が追いかける話。
ラストの少女の小学校での作文が切ない。好きな短編。

「黒の記憶」は昭和36年「宝石」誌に掲載されたデビュー作。
タイトルのつけ方は松本清張を意識したものなのだろうか。
後に山村美紗をめぐって犬猿の仲になるとは予想していなかったに違いない。

しかしあれだけの作品を残した松本清張も、
後進を育てることには何の興味も抱いてなかったのね。
ま、それも一つのやり方かもしれんが。

「蘇える過去」は雑誌記者が主人公。
「夜の密戯」は昭和48年の作品で、佳作を連打していた時代の作品。

そして個人的に今まで読んだ短編ミステリの中で
ベスト3に入る作品である「優しい脅迫者」は昭和44年の作品。

土曜ワイド劇場の初期に映像化されている。
坂上二郎さん主演で、どっかで観る機会ないかねえ。
ぜひとも観たいのだが。

また、2001年に「女と愛とミステリー」枠で映像化。
この時は伊藤蘭、石野真子、佐藤B作たちが出演。

昭和52年にはエラリー・クイーンが編集した
「日本傑作推理12選」に選ばれた名作。

構成の見事さとラストの切れ味は一級品。
こういう短編ミステリを書いてみたい。

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