表題作は記念すべき第1回小説推理新人賞受賞作。その「感傷の街角」の他に「フィナーレの破片」「晒された夜(ブリーチド・ナイト)」「サンタクロースが見えない」「灰色の街」「風が醒めている」「師走、探偵も走る」の計7本が収録。あらすじと感想佐久間公シリーズの特に初期はハードボイルドというより青春小説の匂いが強い。なんせ嫌味がない。そして時おりキレのいいセリフ。ゴリゴリではなく適当な甘さと青さの塊――そん
>>続きを読む
1998年刊行の長編企業小説。モデルは全日空。今のところ映像化は無し。あらすじエアライン・日空ビルの取締役室。そこでは後継社長人事を巡り、名誉会長・会長・社長の三人による暗闘が繰り広げられていた。当然、その配下の者たちも緊張感に包まれる。近づいてくる女をスパイと見たり、社長派の面々は自分たちに有利な人事になるよう工作したり。独裁的で永続的なワンマン体制を望む社長に対して、名誉会長の下した判断は――
>>続きを読む
1976年出版の誘拐ミステリ。「悪魔たち」ってところがポイントのひとつ。あらすじ元警視庁捜査一課の早乙女は、銀行頭取の令嬢・亜矢子のガードを依頼される。何者かが亜矢子の誘拐を企んでいるという密告電話が頭取の家にあったからだ。電車内でチンピラに絡まれた亜矢子を救うなど仕事をこなしていた早乙女だったが、予定外の亜矢子の行動によって何者かに誘拐されてしまう。しかも、近所に住む女子中学生までもが誘拐される
>>続きを読む
1982年刊行の時代小説。竹中半兵衛をメインに取り上げた初めての作品。こういうとこも笹沢左保の先見の明が感じられる。あらすじ若干17歳で美濃国菩提山城の城主となった竹中半兵衛。貴公子然とした美男子でありながら、色白で腺病質な感じがするところから「青びょうたん」と陰口をたたかれていた。だが、斎藤家を支える重心の一人、安藤範俊は娘の阿古を嫁がせる。半兵衛は安藤の予想通り、兵法に熟知し各方面から引く手あ
>>続きを読む
2010年出版の時代小説。織田信長亡き後の歴史群像を様々な角度から描いているのが特徴。あらすじ天下統一を目の前にしながら明智光秀の裏切りで無念の死を遂げた織田信長。羽柴秀吉は毛利との和解を経てすぐさま戻り、山崎の戦いにて明智光秀を討ち天下人への道を歩き始める。だが、その前にはやっかいな障壁があった。その一つが織田家の筆頭家老・柴田勝家。北陸において善政を敷き、猛将と謳われた武力は侮れなかった。秀吉
>>続きを読む
1992年出版の長編ミステリ。イタリアを舞台にしたサスペンスロマンって感じ。あらすじ高岡まろんの名で人気だった元アイドル、藤岡みのり。事務所独立に絡んであることないこと言いふらされて、今では普通に暮らしている。ところが、みのりに意外な話が転がり込んできた。人気作家・鮎川の原作映画に主役で抜擢されたのだ。プロデューサーや鮎川たちとロケハンでイタリアに旅立つみのり。主人公のモデルは新宿ゴールデン街のア
>>続きを読む
1984年出版のハードバイオレンス。国内を飛び越え、どこまで行くねん的展開が魅力の作品。あらすじ張込み中に暴走族をどつきまわした刑事・平泉。ところがメンバーの一人が大企業の副社長の息子だったことから刑事をクビになってしまう。仕方がないので高級マンションで暮らす親友・宗村のもとへ。しかし、大企業のドラ息子の宗村もまた父親に勘当され無一文。食事にも困り果てた2人の前に救いの手が。平泉のクビの原因となっ
>>続きを読む
1982年初出の短編集。オール読物推理小説新人賞に輝いた「暗殺者グラナダに死す」、表題作「コルドバの女豹」、「グラン・ビアの陰謀」「サント・ドミンゴの怒り」、「赤い熱気球」の5編を収録。あらすじと感想「暗殺者グラナダに死す」は西部劇を思わせる設定。フランコ時代が終わったものの、治安は以前のままの街・グラナダ。そこに流れてきた一人の日本人。そして彼と関わる者たち。エル・ガローテと呼ばれる悪役がどうそ
>>続きを読む
1988年出版の一冊。プロとは何かを強烈に意識付けさせてくれる本。広岡監督の代名詞として言われているのが管理野球。あと自然食の話が有名だが、今日栄養を考えてトレーニングするのは常識になっている。また、管理野球と言われながら結構ベテランを重視し連覇を果たした後は若手を育てることに成功していた。何より自らグラブを持って若手に手本を示していたというのは大事。長い目で見れば食事に気を使っていたからこそでき
>>続きを読む
1964年出版のハードボイルド。生島治郎のデビュー作である。あらすじ戦時中の部下とともに会社を経営する久須見。久須見の仕事は入港中の船に食料や寝具を納入することだ。朝鮮動乱による景気時に、暴力団がらみで密輸の仕事を持ちかけられるがきっぱりと断った久須見。だが、その落とし前で片足を失う羽目になる。それから月日が流れ、景気も会社も傾き加減。資金繰りに困る中、謎の女の紹介で危ない綱渡りの資金を手に入れる
>>続きを読む