1960年刊行の長編ミステリ。第14回日本推理作家協会賞受賞作。直木賞候補にもなった。1961,1970,1985年と3回テレビドラマ化されている。あらすじ本多社長のワンマン経営に反発し、泥沼化した「本多銃砲火薬店」の労働争議。経営陣の肝入りによる第二組合が作られ、ますます熾烈になる中、社長の一人息子・昭一と恋愛中の第一組合に属する花城由紀子が突然失踪。失踪から二日後、山梨県の昇仙峡で昭一の遺体は
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2018年刊行の時代小説。あらすじほんの少し前までは連日吉原に通い、けんかに明け暮れていた若き日の徳川光圀。ところがそれに飽きたのか、最近では書を好み水戸藩お抱えの者たちと語らうなど学問に目覚めていた。そんなある日、光圀は増える浪人たちが何やら企んでいるらしい噂を聞きつける。さらにその背後には紀州の徳川頼宣も絡んでいるというから捨ておくわけにはいかなくなった。真相を解明するべく、光圀は尾張の徳川光
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1975年初版の長編ミステリ。1983、2006年にテレビドラマ化されている。あらすじ女子大生・立夏子はバイトしているバーで出会った中小企業社長・朝永に心中を持ちかけられる。虚無的な気持ちになっていた立夏子は婿養子に入ったものの先妻を無くし、今は肩身の狭い思いをして倒産寸前だという朝永に同情して一緒に伊豆の山中に向かう。睡眠薬心中を図ったものの、立夏子は蘇生。ところが、傍らの男はナイフで刺殺されて
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1967年初刊の近松茂道シリーズ初の長編作。表題作のほか、「殺人へのよろめき」「殺意の審判」の2短編を収録。あらすじ深夜、名神高速で商事会社社長・安川が事故死した。その心労から妻が病死した後、安川の娘・沢本志津子が何者かに絞殺された。捜査にあたった山口警部は社内の複雑な状況に戸惑いながら、容疑者と思われる人間でただ一人アリバイの無かった社長秘書・関口友子を逮捕する。しかし、神戸地検の近松検事は一歩
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2013年初刊の歴史小説。あらすじ天下統一に向けて着々と歩んでいる織田信長。一方、用済みになった功臣を悉く追い込んでいるのを見て、秀吉や家康など周りの者は戦々恐々としていた。さらに信長に虐殺された伊賀者の残党が命を狙い続ける。誰もが信長を葬ることと自分の運命を両天秤にかけながら策略を巡らす中、運命の日を迎えることに。信長を葬ったのは果たして誰か――という話。感想めちゃくちゃ面白い。本能寺の変は赤穂
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1980年刊行の長編本格ミステリ。1986年に土曜ワイド劇場枠でドラマ化。タイトルは「裸の家族」。もともと原作も単行本化した時はそのタイトルだった。主演は大空真弓。江原真二郎、長門裕之、高橋ひとみ、宮下順子、遠藤義徳などが出演。あらすじ次男・士郎の家庭内暴力に悩む妻・令子。しかし、夫・将一は批評するだけで向き合おうとせず、長男・大助は趣味の飛行機に熱中して我関せず、長女・エミは医師との不倫に夢中で
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1988年第1回日本推理サスペンス大賞優秀作受賞作品。同年、火曜サスペンス劇場枠でテレビドラマ化。主演は浅野ゆう子。渡辺典子、五十嵐いづみ、伊原剛志などが出演。あらすじ美貌に恵まれ幼い頃から芸能人を志していた志穂子。ところが高校生の時、たまたま自分にそっくりなアイドル歌手・マリ子がデビューして大人気に。あてが外れたものの自分だってやれると思った志穂子は迷わず東京に。しかし、いくら努力しても先に世に
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1976年発刊の本格ミステリ短編集。表題作のほか、「残酷な旅路」「恐怖の賀状」「五〇パーセントの幸福」「黒枠の写真」「死者の掌」「孤独な証言」の計7編を収録。あらすじと感想「残酷な旅路」年の離れた社長・西園と結婚した若い女性・亜沙子が、夫の倹約ぶりに辟易しているうちに比較的年の近い西園の弟・達也と浮気旅行に。ところが、帰ってきてみるとトランクが間違われていて、それが原因で謎の女性に脅迫されてしまう
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1981年刊行の長編小説。あらすじ家族をがんで亡くし、自身もがんで命を落としたリチャード・スコット。そのスコットが遺した財団はWHOの付属機関だった。財団が難病である癌と戦うべく、建造した癌病船・北斗号が世界が注視する中、横浜を出港した。北斗号には800名の患者、個室にはマンツーマンで看護師がついている。医師は300名、最新鋭の医療機器と設備が搭載されていた。白鳥船長、ハリソン院長のタッグで船は進
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2008年の文春文庫新装版。もともとはいつなんだろ、70年代ぐらいに出たものなのかな。あらすじと感想取り上げられている合戦は次の通り。「長篠合戦」「姉川の戦」「山崎の戦」「川中島の戦」「巌流の戦」「九州征伐」「島原の役」「関ヶ原の戦」「西南戦争」の9つ。どれもこれもよく知られている話。長篠で言えば、やっぱり武田騎馬隊は総じて鉄砲を軽視してたのね。ま、何の世界でも負けてみないとわからんことはあるが、
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