1970年初出の旅情本格ミステリ。
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あらすじ
相模湖畔で発見された男の他殺死体。
被害者は公害問題に揺れる大企業の工場長だった。
捜査の結果、公害で妻子を失った大学講師が容疑者として浮上。
だが、彼は芭蕉忍者説の解明のため、東北に旅行中だった。
鉄壁のアリバイを持つ大学講師だが、なぜだか突然自殺。
講師の遺書と研究ノートに疑いを持った刑事たちは再捜査を始める。
事件の真相はどこにあるのか? そして真犯人の存在は――という話。
感想
公害、汚職、奥の細道に関する松尾芭蕉忍者説に
アリバイトリックなどが絡む盛りだくさんの内容。
面白いんだけど詰め込み過ぎという気もせんではない。
歴史の盛り込み方ってのは難しいですな。
見立て殺人なんかだとわりかしノッていきやすいんだけどねえ。
やっぱりどうしても松尾芭蕉忍者説の話と
アリバイトリックなど殺人事件の話と分かれてしまうような。
最初から最後までどどーんと心情を乗せていく話の方が好みなのだが。
でも、こういう手法を学んでおくのは大事ですな。