1988年応募の著者のデビュー作。ストレートな社会派法廷ミステリが清々しい。火曜サスペンス劇場「朝日岳之助シリーズ」の原作。小林桂樹主演で人気を博した。あらすじ警備員が刺殺され金庫が破られた。大阪で起きたこの事件で逮捕されたのは前科のある塩川という男。塩川は無罪を主張していたが、執拗な取り調べの末に自白。有罪は確実かと思われたが、塩川の妹が弁護士を連れてきた。その男の名は朝日岳之助。過去に冤罪で友
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2016年出版の文庫本。読んで「やっぱり東映好きやなあ」ってのが最初の感想。東映京都撮影所の映画人たちの魅力が詰め込まれたノンフィクション。どんだけ取材してんのよ、ってぐらいいろんなものが盛り込まれてる。「時代映画」とか何冊か持ってるけど、こんなとこもチェックしているのが凄い。東映の成り立ちや撮影所のエピソードはパッションの塊と言える。やっぱりいい作品を作るには熱量が必要なのよね、何の世界でも。時
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2016年出版の第14回このミス大賞・隠し玉。今流行りのスクールカースト的話と、イヤミス感全開の作品。あらすじ中学時代に義父からレイプされた経験を持つ女子高生・美和。義父に殴り殺された弟「ユウちゃん」としか会話できない。意識高い系を気取る痛々しい感じだが、ユウちゃんの囁きのままにある計画を実行しようとする。一方、これまた意識高い系の女子高生・穂乃果。こちらは読んだ本の感想はじめブログを熱心に書く少
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1979年出版の連作時代小説。「女囚お葉初仕事」「奥御殿無残絵」「女けもの道」「お葉流れ花」「黄金色の闇」「甲斐熊一件の始末」「かつがれた裸身」の計7編を収録。あらすじ牢屋敷見廻り与力、町村半次郎。誰からも怠け者と目され、とても真面目に務めているとはいえない人物。しかし、ひとたび妾同様のお酉の家に入ると表情が変わる。配下の同心、八木新助と熊野理右衛門を使い裏のありそうな事件をかぎつける。そして悪事
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1995年出版の歴史小説。国士無双と謳われた天才武将・韓信の生涯を描いたもの。あらすじ項羽と劉邦の天下分け目の戦い。劉邦が勝利した要因の一つは天才武将・韓信がいたことだった。有名な「股くぐり」の屈辱に耐えなかなか評価されず不遇の時代を過ごしながら大将軍の座を得て戦場で一度も敗れることなく「国士無双」と謳われた。「彼がいなければ天下は取れなかった」と劉邦に言わしめた手腕。兵法の常識を破った「背水の陣
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1994年出版の新宿鮫シリーズ第4弾。第110回直木賞受賞作。映像化もされている。あらすじ若者たちの間で流行っている「アイスキャンディ」。その正体は覚せい剤だった。密売ルートを追う鮫島だが、これまでの傾向と違うことに気付く。麻薬取締官の塔下と時には敵対しながら捜査を進めていく。やがて地方財閥の関りとある組のつながりを掴む鮫島。それぞれの野望を胸に突き進む面々を相手に、過去の事件も重なってついに鮫島
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2015年第14回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。新しいタイプのアート・ミステリーとして評価を受けた作品。あらすじ佐和子は画廊経営者・唯子のアシスタント。安い給料でこき使われているが、家がもともと芸術肌なのもあり唯子に何となく評価されてることもあり働いている。唯子の画廊のウリは全く姿を現さない謎の現代芸術家、川田無名の作品。ところがある日、唯子が何者かに殺され容疑者として無名が追われること
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2009年出版の十津川警部シリーズ。元部下の橋本もちょっとだけ登場。あらすじ老舗デパートの元副社長秘書が絞殺された。被害者の名前は十文字多恵子。32歳。彼女の豪華マンション暮らしに疑問を抱く十津川警部。友人の田島から彼女が「修善寺わが愛と死」というタイトルの小説をコンクールに応募していたことを知り、読んでみるように田島から渡される。その小説は彼女が鎌倉幕府・源頼朝から三代の興亡になぞらえて元職場の
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2018年出版の作品。「任侠書房」「任侠学園」「任侠病院」に続くシリーズ第4弾。今回は銭湯が舞台。阿岐本組長、代貸・日村ら個性的な面々が大活躍。あらすじ東京のとある街に事務所を構えている阿岐本組。昔気質の阿岐本組長に代貸の日村は振り回されっぱなし。これまで出版社、高校、病院と他人が見放した物件を次々と再生する役割を担ってきた。人から頼まれると嫌と言わない阿岐本組長。今回は赤坂の路地裏にある赤字の銭
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1982年出版の著者唯一無二の時代小説。もともとは「阿州太平記 花と剣」のタイトルで徳島新聞に1975年12月から1976年4月にかけて連載されたもの。1983年にフジテレビで田村正和主演で映像化された。あらすじ時は徳川五代将軍綱吉の頃。幕閣である柳沢吉保と酒井但馬守の権力闘争が続いていた。同じ頃、阿波二十五万石も真っ二つに割れていた。。妖術使いの兵法家・秋山幻斎によって国家老・勝浦主馬は呪殺され
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