1988年初出の作品。直木賞候補作。有力視されていたが受賞はならなかった。あらすじ明治10年――。現在の和歌山県太地町。この紀州の海辺の町は捕鯨が生活を支えていた。ところが、クジラが突如やってこなくなる。困窮する村を救うため、捕鯨責任者の勝山良之助は若い未亡人・お妻を伴い大阪に金策に出る。だが、ことごとく不調に終わるだけでなく他国のやり方などを知り捕鯨の未来に失望するのだが――という話。感想「鬼畜
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1978年に週刊現代連載の鯱シリーズ第2弾。あらすじ強欲成金の親子に届いた殺人予告状。その通りまず道楽息子がぶち殺され、慌てふためいた父親は暴力団に警護を依頼。ところが40人ほどいた組員もろとも皆殺しの憂き目に。さらに殺人予告状が財団連会長にも届き、警視庁は総出で万全の警備体制を敷いたものの娘になり済ました侵入者によってあえなく計画は実行された。一人気づいた刑事も殺され、面目は丸つぶれ。そしてつい
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2007年出版の文庫本。「虚空に賭けた賽一つ」「駈入寺に道は果てた」「鬼が一匹関わった」「流れ舟は帰らず」「雪燈籠に血が燃えた」の計5編を収録。一応全部映像化されてる。「虚空に賭けた賽一つ」が新・木枯し紋次郎第24話。ゲストが弓恵子、橋本功など。「駈入寺に道は果てた」第2シーズン11話。ゲストが江夏夕子、織本順吉、浜田寅彦など。「鬼が一匹関わった」新・木枯し紋次郎第22話。ゲストが原口剛、泉晶子、
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初出は「小説宝石」1974年2月号から9回にわたり連載。その時は「地獄の辰・無頼控」で翌年「東海道・無頼旅 地獄の辰シリーズ」として出版。「地獄の辰 無残捕物控」の続編。あらすじ将来を誓った女・お玉と自分をこき使った同心・磯貝源之進に裏切られた男、人呼んで「地獄の辰」こと江戸・深川の岡っ引き・辰造。彼は十手を捨て、気ままな湯治場巡りをしていた。そこにかつての手下、留三郎と銀太が現れる。2人は御目付
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1978年出版の作品。あらすじプロダイバーの出雲は旅行に出た愛する妻子の帰りを待ちわびていた。その頃、佐渡を飛び立ったセスナが行方不明に。セスナには銀行頭取を含め5人が乗っていた。妻子が遭難したセスナに同乗した可能性を疑った出雲は佐渡に向かう。奇跡的に遭難者全員が救出されたがその中に出雲の妻子の姿はなかった――。愛する妻と子はどこに消えたのか?同僚の中谷の協力もあって調べまわる出雲の身に殺し屋が襲
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2005年出版の作品。映像化はまだなし。あらすじ歴史雑誌で行われた坂本龍馬特集。坂本龍馬がもし生きていたら何を望むか、という原稿を募集したところたくさんの数が集まった。その中に自分を現代の坂本龍馬と称し、必ず日本を洗濯すると書いた宣言書があった。その言葉通りに大企業の社長、漫画家、風俗王が相次いで射殺された。さらには総理大臣が脅迫され……捜査にあたった十津川警部たちだが犯人の大胆な手口に困惑する。
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2005年出版の社会派長編。2008年にTBSで十津川警部シリーズ第40弾として映像化。あらすじ札幌で北方大学医学部の名誉教授が研究室で殺害された。その一か月後には東京で男性の撲殺死体が発見される。殺された男が勤務する医療機器販売会社は札幌で殺された教授との贈収賄疑惑が取りざたされた過去が。十津川警部は当時その内部告発をしたと思われる男を追い、離島の診療所を訪ねるが、彼もまた重要な証言をした後殺さ
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2013年出版の短編集。「一期一会の証言」「絵の中の殺人」「処刑のメッセージ」「事件の裏側」の計4本を収録。あらすじと感想「一期一会の証言」は2014年にTBSでテレビドラマ化。「小田原城殺人事件~一期一会の証言~」というタイトル。十津川警部シリーズ第52弾の作品の原作。原作は小田原城ではなく彦根城。そこで観光ガイドを務める今泉明子(71)。いつものようにガイドを務めていると、男女5人いたはずなの
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1992年出版の短編集。表題作のほか、「北への列車は殺意を乗せて」「SLに愛された死体」「北への危険な旅」の計4本を収録。「特急『あさま』が運ぶ殺意」は北条刑事が叔母の葬式に向かう際に事件に出くわす。列車内で女性が毒殺され、連れていた子供を託される。ここからまるで現代版天一坊事件のような展開に。背後には当然相続を巡る問題が隠されていた。ま、それなりの展開。子供の預け先は亀井刑事しかありませんわな。
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2009年初出の警視庁情報官シリーズ第2弾。あらすじ今も昔も行われている色仕掛けによる諜報活動。通称「ハニートラップ」。どれだけの機密情報がこれによって流出したのか。国防を揺るがす国家機密の流出疑惑を追う警視庁情報室のトップ・黒田。漏洩ルートを丹念に解明していくうちに、彼の見たものとは――という話。感想日本の危機管理の甘さは至る所で語られているがなるほどひどいもんだと再確認させてくれる力作。相変わ
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