1983年出版の冒険小説。デビュー作「飢えて狼」の次の作品。このあと「背いて故郷」が出ていわゆるシミタツ節が有名となっていく。あらすじ船会社を経営している長尾。老朽貨物船が一隻だけの零細企業だが、その船が大隅海峡沖で忽然と姿を消してしまう。船には長尾の弟・文治も乗っており、乗組員6人とともに遭難していた。遺族への弔問と謝罪の旅を続けていた長尾は、最後となる榊原の出身地である大隅半島の漁村に。ところ
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1981年刊行の長編小説。同年火曜サスペンス劇場でテレビドラマ化、2012年テレビ朝日開局55年スペシャルとしてドラマ化。あらすじアマチュアカメラマン・山鹿が撮った一枚の写真。東名高速で起きた玉突き衝突事故を撮影したその写真はニュース写真年間最高賞に輝き、こんな写真が撮れる確率は「十万分の一の偶然」と評された。しかし、それは本当に偶然なのか?婚約者の明子をこの事故で失った大学助手・沼井は事故に疑問
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1987年出版の作品。「風紋の街」に続く街シリーズ第2弾。もっともこの作品で街シリーズは終わるのだが。あらすじ松浦水軍の末裔である鉈割瓢(なたわりひさご)と斧割糺(おのわりただす)。今度は蔵王山麓で巨大な虎に出くわすことに。来日中の中国雑技団から逃げ出した4メートルの虎。そのくせに名前はカンカン(笑)そのカンカンと仲のいい犬はヤンヤン(笑)しかもそのカンカンには台湾の情報局が中国の核ミサイルに配置
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1977年発表の処女長編。当時はバリバリの本格派志向だったのだ。あらすじK大学の仏文科の研究生である修一。後輩である美奈子と結婚を誓い合った仲だった。ある日、修一は風変わりな館にフランス語を教える家庭教師として雇われる。そこには謎めいた美女たちがいた。この屋敷には何か謎がある――修一は直感でそう思った。以前近くで起きた殺人事件の聞き込みに来る謎の刑事、そして館のどこかにいるもう一人の人物の存在――
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1980年出版の幻戯シリーズ第2弾。今回も宮田雷四郎が暴れまわる。あらすじ一匹狼のやくざである宮田雷四郎。母親にせがまれシルクロードへの旅を計画。だが、そんな金はあるはずない。困った雷四郎は賭場荒らしで金を調達。無事に?シルクロードへの旅に出る。ところが、旅はトラブル続き。行く先々で各国の諜報機関の暗躍に巻き込まれる。通訳に雇った人間、旅先で出会った人間、みーんな諜報機関に所属している連中(笑)そ
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1971年出版の作品。「天使」シリーズの「私」が主人公。殺人犯の汚名を着せられた新聞記者が限られた時間の中で、暗躍する組織に挑む話。あらすじ当直明けの事件記者「私」はいきつけの喫茶店である競馬レースが荒れることを吹聴する奇妙な男と出会う。競馬仲間のマスターに誘われ、競馬場に向かう私だが、そのレースに賭ける気にはならない。そんな時、美しい女にレースについて尋ねられ女についつい荒れるレースがあることを
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1996年出版の異色作。珍しく一人称で、昭和初期の浅草を舞台に踊り子連続殺人事件が巻き起こる話。あらすじ時は昭和7年――。着実に戦争の足音が忍び寄っている時代にそこから逃避するように流行したエロ・グロ・ナンセンス。なかでも浅草六区の劇場ではどれだけ刺激的な舞台を提供できるかが小屋の浮沈のカギを握っていた。小屋の一つ、偏奇館で3人の踊り子が次々と殺された。川に浮かび、乳房を切り裂かれ、公園の茂みの中
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1976年発表の長編小説。最初のタイトルは「娘よ、涯なき地に我を誘え」。1978年に菅原文太主演で映画化。1978・1990・2002年と3度テレビドラマ化。著者の代表作の一つである。あらすじ造船技師・秋津の愛娘・良子が何者かに誘拐された。偶然、殺人現場に良子が居合わせたことが原因だった。妻の順子は錯乱し、とうとう精神病院に入院してしまう。良子の行方を捜すため、秋津は会社を辞め愛犬の「鉄」とともに
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1990年出版の作品。多すぎる容疑者とわからない動機に十津川警部が苛立つ珍しい展開。あらすじ有明海の三角湾で発見された男の死体。被害者は東京在住の画家・太田垣と判明。熊本県警から応援を求められた十津川警部らは太田垣が最後に残した「有明に行く」を手掛かりに捜査。しかし、その間に同じ画家仲間の後藤が殺される。容疑者は画家仲間を含め6人もの人物があがる。しかし、動機は一向に見えてこない。怨恨か、それとも
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1989年出版の沢崎シリーズ第2弾。第102回直木賞に輝いた。あらすじ行方の分からない家族について相談をしたい、という依頼の電話を受けた私立探偵の沢崎。車を走らせ依頼人の邸宅へ向かったものの、そこで沢崎は自分が思いもかけない誘拐事件に巻き込まれていることを知る。どうにかこうにか自分の嫌疑を晴らしたものの、誘拐の身代金を運ぶハメとなる。犯人に振り回されながら身代金を運ぶ沢崎だが、何者かに襲われ身代金
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