松本清張「十万分の一の偶然」を久々に読む

1981年刊行の長編小説。
同年火曜サスペンス劇場でテレビドラマ化、
2012年テレビ朝日開局55年スペシャルとしてドラマ化。

あらすじ

アマチュアカメラマン・山鹿が撮った一枚の写真。
東名高速で起きた玉突き衝突事故を撮影したその写真は
ニュース写真年間最高賞に輝き、こんな写真が撮れる確率は
「十万分の一の偶然」と評された。

しかし、それは本当に偶然なのか?

婚約者の明子をこの事故で失った大学助手・沼井は
事故に疑問を持ち執念の追求を始めていくのだが――という話。


感想

ザ・復讐物語。
著者の後半の作品群の中ではいい方だと思うんだけど、
テレビドラマ化はなぜだか2回だけ。

1982年版は性転換し
恋人を事故で失った明子が主人公という設定。
明子を演じたのが結婚前の関根恵子。
カメラマン・山鹿が泉谷しげる。似合うんだなこれが。
山鹿が本業は保険の外交員をしているのだが
真面目なんだけど周囲には認められない鬱屈した感じが最高。

ラストシーンに聖母たちのララバイが重なりやるせなさ抜群。
監督は黒木和雄。一番いいんじゃないかな。

時代は移り変わり2012年版は沼井と明子が親子の設定。
なので沼井ではなく名前は山内正平と明子。
正平を演じたのは田村正和。これまた似合う。
明子は中谷美紀、山鹿は高嶋政伸。

ラストシーンは全然違うけれど、どっちもいいドラマ。

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