名作刑事ドラマ「Gメン’75」第139~141話を久々に観る

デアゴスティーニから発売の全話シリーズ第47弾。

第139話「女子大生ネクタイ絞殺事件」

ゲストは谷村昌彦、朝加真由美、南城竜也、近藤準など。

あらすじ

速水刑事の高校時代の友人・のり子が、何者かに殺害された。
のり子は婚約者・高倉(南城竜也)と結婚間近で、
二人で暮らすマンションに遊びに来るよう誘われた速水が発見したのだった。

立花警部補の指揮の下、捜査が進められ
現場に落ちていたバッジから整備工場で働く浦山(谷村昌彦)に容疑がかかる。

しかし、浦山は部屋に行ったこと以外は否認。
さらに、女子大生・島崎須美(朝加真由美)が犯人だと名乗り出る。

決め手がない中、立花は浦山を釈放して泳がせることに。

言葉が離せなくなった浦山の娘・俊子を通じて、
浦山と須美が繋がっていたことがわかった直後、
浦山の自殺した姿が発見される。

事件の裏には、浦山の妻を死に追いやったマルチ商法があった――という話。


感想

社会派的な作品群でGメンの一翼を担った西島大さんらしい題材。
当時すでに社会問題になっていたマルチ商法の話が盛り込まれている。

「法律に触れなければ何をやってもいいのか」という須美の問いかけは、
昔も今も全く変わらんわねえ。

マルチに関しては当時に比べて法整備がマシになったとはいえ、
他の分野ではチートも進んでいないものも多い。
外国人にバカバカ土地買われたりとか。ええかげん規制せえよ。

反面、その他は雑というかイマイチな部分もある。
特に犯人についてはバレバレというか、あっさりしすぎだろ。

一番の見どころは、二大くノ一の共演かな。
もっともこの時点ではないのだけれど。

森マリアさんは長七郎でやってたわね(天下御免の方ね)。
岡崎友紀さんに続く二代目くノ一だったはず。
朝加真由美さんが暴れん坊将軍に出るのはⅡだったかな。
二人のくノ一姿は、リアルタイムで記憶にもありますな。

谷村さんはこういう役が似合いすぎ。
本DVDは名バイプレーヤー特集みたいなもんかな。

第140話「十五年前の遺留指紋」

ゲストは横光克彦、佐原健二、梅津栄、渡井直美など。

あらすじ

店の雰囲気が好きで、よく利用している喫茶店にいた草野刑事。
就職難で食い詰めた大学生に、店の売り上げを夜間金庫に
入れようとしたマスター・石川(梅津栄)が襲われるところを助けた。

ところが、被害届に母音を求めたところ、なぜだか石川は動揺する。
不審を感じた草野が指紋を調べてみると、石川は時効寸前の殺人犯人だった。

草野は十五年前の被害者の弟・谷口刑事(横光克彦)と
被害者の恋人・山崎警部(佐原健二)を呼び、石川を追う。

しかし、石川を逮捕した時、すでに時効は成功してしまっていた。
だが、谷口は緊急逮捕時刻をごまかし、姉の復讐をしようとする。
さらに、谷口は店に通い、石川を追い詰める。

そうした中、石川が自殺に見せかけ殺害されてしまう――という話。


感想

ま、なんちゅうかそうなるだろうねって展開。
もう手に取るようにわかるというか、意外に見えてチートも意外でない。

どういえばいいのかなあ、もの凄くバカに見えるというかね。
メンツは悪くないだけに、もったいない感じ。

十五年前の殺人の衝撃の事実が~って、たぶん途中で気づくはず。
谷口が殺されたりする方がまだねえ、マシかなという気が。

出だしはいいけどなあ。
もう時効という制度はないけど、
当時はこういうタイムリミットサスペンスは結構ありましたな。
しかし、過去の事件にまで遡って時効撤廃すりゃよかったのにね。

そういう議論もあったと思うんだけど。

第141話「団地奥様族の犯罪」

ゲストは有吉ひとみ、月丘千秋、原良子、平泉征など。

あらすじ

警視庁に差出人不明のタレコミ手紙が。
内容は塚本という男が、覚醒剤密売に関係しているというもの。

消印が塚本の別居中の妻・加代子(有吉ひとみ)が住む
団地の地域と同じだったことから、加代子が出した手紙と推測された。

速水刑事は加代子が働くデパートの化粧品店に行くが、
加代子は手紙を出したことを否定する。

そして翌朝、団地近くの草村で加代子の撲殺死体が発見された。
捜査の結果、加代子の夫・塚本(平泉征)、
化粧品会社のアルバイト学生・青木(下塚誠)、
化粧品会社の社長・丸谷(加藤和夫)の3人が容疑者として浮上。

しかし、加代子はそれぞれ違う顔を見せていた。
困惑する速水だが、あることをきっかけに真実に辿り着く――という話。

感想

実在の事件や社会情勢を巧みに取り入れた名作。
これは上手いなあ。見せ方が抜群に上手い。さすが西島大脚本って感じ。

小道具の使い方が素晴らしいし、
人間ドラマの組み方、セリフやナレーションのキレ。
1時間推理ドラマのお手本みたいな。

刑事コロンボのピーター・フォークが言ってたのかな、
優れたミステリというのはなぜそこに気づかなかったのだろう?
と思わせることだ、って話は。

本話なんかはまさにそういう話の典型。

人間って単純に割り切れるもんじゃないよねえ。
0か100かじゃないんだから、
自分らも単焦点じゃなく多焦点で見ることを忘れずにいたいですな。

なので、本話は何も予備知識を入れずに観るのがおススメです。

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