大藪春彦「獣たちの墓標」を久々に読む

1971年の連載小説。

あらすじ

本土復帰を目前にした沖縄。
そこでは米軍流れの武器弾薬、麻薬から売春など莫大な利権が。

それに群がる地元暴力団と本土組織。
暴力団狩りのプロである西城は、沖縄に飛び組織壊滅に動き出す。

目には目を、歯には歯をがモットーの西城が縦横無尽に暴れまわる――という話。


感想

ハイウェイハンター・シリーズに続き、
エアウェイハンター・シリーズとなる最初の作品。

相変わらずぶち殺しまくるが
そこには本土復帰前の沖縄を取材し
海洋博などをめぐる利権の姿を目の当たりにした著者の怒りが感じられる。

当時の沖縄の状況などもそこかしこに描写されていて、
ただのバイオレンス小説とは一線を画している。

やっぱり舞台設定というのは大事。
特に本土復帰前だし、今の自分たちからはある意味想像のつかない世界。

平成が終わり令和が混沌としている中、昭和はさらに遠い昔になりつつある。
時代、街、人々、環境――小説の題材というのは無限にある。

映像の世界では、もはや昭和30年代なんてのは
時代劇と同じぐらい費用がかかるわけだが小説の世界は違う。

一つ一つの街やそこに生きた人々の話を丁寧に描けるもの書きでありたい。

記事作成・ライティングに関するお問い合わせ・ご相談

コピーライター育成オンラインアカデミー

最近の投稿

テーマ別

ページトップに戻る