木枯し紋次郎シリーズの第5弾。表題作のほか、「馬子唄に命を託した」「海鳴りに運命を聞いた」「駈入寺に道は果てた」「明鴉に死地を射た」の計5編を収録。「夜泣石は霧に濡れた」は紋次郎とこんにゃくの秘話。間引きにこんにゃくで口をふさぐというのはこの時代普通にあったのだ。現代の児童虐待どころの騒ぎではない。ま、そうしなきゃ食えなかったわけだが。それを知る幼馴染との対決もあり、読みどころの多いエピソード。テ
>>続きを読む
1993年出版の新宿鮫シリーズ第3弾。あらすじ鮫島は同級生でマルサの滝沢と新宿にいた。古売屋の三森の顔を教えるためだったが、その後新宿の高級娼婦の元締めである浜倉と出会う。何となくウマが合う二人だったが、次の日浜倉が謎の死を遂げる。事件に迫る鮫島の前にある産婦人科が浮かび上がるが、真相に迫ろうとした瞬間、突然汚職の容疑が鮫島に降りかかる。さらには三森殺害の嫌疑までかけられ、滝沢も電車に轢かれ即死。
>>続きを読む
2001年出版の珠玉の短編集。表題作のほか、「黒の記憶」「蘇える過去」「夜の密戯」「優しい脅迫者」の計5編を収録。表題作「歪んだ朝」は第2回オール読物推理小説新人賞受賞作。山谷を舞台にいたいけな少女の死の謎を刑事が追いかける話。ラストの少女の小学校での作文が切ない。好きな短編。「黒の記憶」は昭和36年「宝石」誌に掲載されたデビュー作。タイトルのつけ方は松本清張を意識したものなのだろうか。後に山村美
>>続きを読む
2016年出版の短編集。「レット・イット・ブリード」「デッド・オア・アライブ」「チープスリル」「ファミリーアフェア」「ダメージ・インク」「イーブル・ウーマン」「ランブリン・ギャンブリン・マン」の計7編を収録。あらすじ美人社長・野宮綾子が率いる人材派遣会社「NAS」。ここには元警官から元自衛官まで命知らずの男が勢ぞろい。ヤクザの用心棒だろうがテロリストの捕獲だろうが何でもござれ。金さえつまれりゃ何で
>>続きを読む
1982年の文庫版。高校時代にこれでもかと読みまくった思い出の小説。あらすじ幼馴染の手塚と阿木は大学のラグビー部。大財閥の息子でラグビー留学から帰ってきた阿木に対して、手塚はその家に住み込みで働く運転手が父の仕事だった。立場がずいぶん違う二人だったが、不思議とウマが合っていた。大学生活があと半年と迫った時、これまでともに歩んできた道からそれぞれの道が始まってしまう。二人はそれぞれの思いを抱えて最後
>>続きを読む
1976年出版の時代小説。幕府御家人・筧卯三郎。関口無心流柔術の達人で闇から闇へともめ事を始末することから、人呼んで「始末屋」と呼ばれている。収録作品は「娘のいのち濡れ手で千両」「深情け不義の手違い」「初不動地獄の証文」「都鳥遺恨の簪」「つつもたせ濡れ場の筋書」「河内山冥途の路銀」「水子地蔵由縁の枕絵」の計7編。各話には国定忠治、鼠小僧、平手造酒、竹井の吃安、弁天小僧菊之助、河内山宗春、渓斎英泉と
>>続きを読む
木枯し紋次郎の光文社時代小説文庫第4弾。「無縁仏に明日をみた」「暁の追分に立つ」「女郎蜘蛛が泥に這う」「水車は夕映えに軋んだ」「獣道に涙を捨てた」の計5編を収録。「無縁仏に明日をみた」は紋次郎が子供に刺されてしまう珍しい話。どうにか窮地を脱して一人歩くラストの描写が素晴らしい。テレビシリーズ第17話の原作。ゲストは野川由美子、稲葉義男など。「暁の追分に立つ」は紋次郎らしさ全開話。明日のない身の生き
>>続きを読む
1990年出版のシリーズ第6弾。世界のあらゆるスパイの実名が乗っているマイクロフィルムを巡り、死神コンビが活躍する話。あらすじソープに売り飛ばす予定の女を味見していた伊造。ところが、謀略活動を目撃していたと思われて囚われの身に。情報を聞きつけた中郷と伊能の死神コンビ。情報機関が狙うものが世界のスパイの実名を記したマイクロフィルムだとわかるや、伊造たちとの交換を要求。ところが、襲われマイクロフィルム
>>続きを読む
1987年出版の死神シリーズ第5弾。今回も中郷と伊能コンビが暴れまくる展開に。あらすじ飛竜組組長の伊造は釣りをしている最中、モーターボートが巨大な蛸によって海中に飲み込まれるのを目撃。その一方、皇居のお堀に出るはずのないイイダコが発生。人々が群がる中、突然爆発するという異常事態に。何者かが生物爆弾を発明したのか?生命工学を駆使した新しいテロ活動に死んだと思われたあの男の影が。世界を混乱に陥れようと
>>続きを読む
1985年初出の死神シリーズ第4弾。バイオレンスコンビの中郷・伊能に加え、いじられキャラの飛竜組の親分・伊造などが登場。あらすじ元警視庁公安特科隊長だった中郷と伊能。世界を飛び回り国際テロ組織を3度殲滅し死神と呼ばれた彼ら。今はクルーザーで遊びまくる日々だったが、彼らに平穏な日々など訪れようはずもない。焼津沖で若い女を外国に売り飛ばす勢力をウォーミングアップ代わりにぶっつぶした後、またまた警察庁長
>>続きを読む