1976年初出の短編集。
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あらすじ
OLの乃梨子は、売れっ子作家・笠井が
週刊誌でたずね人の記事を出していることを知った。
たずね人の内容が自分に似ている部分があったことから、
用心しながら名乗り出てみることに。
すると、とんとん拍子で結婚話が進み、
週刊誌でも取り上げられて一躍時の人となるのだが――という話。
感想
男女の機微というか、勘違いが生んだ悲劇というか。
はたまた因果応報とも言えるし、いろんなことを感じる短編。
短編らしい短編ともいうか、切れ味と余韻がある。
1986年に単発1時間ドラマで映像化。
松方弘樹、美保純、中山仁などが出演。
観てないからわかんないけど、
狩谷警部が出てる設定になってるから
中山仁が笠井で、美保純が乃梨子なのかな。
それはそれで合う気がするけど。
機会があれば観てみたい。
あらすじ
謎の人妻に誘われ、その美貌と肉体に溺れる大学生・江田。
ところがある日、人妻は忽然と江田の前から姿を消した。
人妻は何の目的でそんなことをしたのだろうか――という話。
感想
子供ができないことに悩む人妻が、
夫によく似ていて血液型も同じ大学生と寝て、
無事妊娠するのだが、そこからの展開がメイン。
赤ちゃん取り違えが絡んでくるのだが、
捻ってるところが短編ミステリらしい。
因果応報というか、心理サスペンスというか。
まあ、時代っちゃ時代な気もする。
しかし、血液型ってどうなってんのかね。
昔は結構ええかげんだった気がするけど。
だって、オレなんかずーっとA型だと言われてきたのに、
初めて入院した時にО型って言われて「は?」ってなったもん。
これ、『特別機動捜査隊』で映像化されてんだな。どの話だろ。
山村美紗さんはそれが縁で、脚本も書いたことがあるみたい。
あらすじ
義父の力を借り、やっとの思いで自分の医院を開業した田崎。
晴れ晴れしい気分でいると、足元に軟式のボールが。
投げ返してやった子供の顔を見ると、驚くほど自分に似ている。
子供が産めない体の妻から疑われた田崎は、ある行動に出るが――という話。
感想
男側から見た心理サスペンスという感じ。
ありそでなさそな話だけど、捻り方はわりかし好み。
今じゃなかなか使えない設定だけど。
牛乳配達ってまだあんのかね。
あらすじ
脚本家と小説家の二足の草鞋を履く
将来有望な風戸と婚約したOL・朝子。
ところが、風戸が何者かに殺され、
慌てて現場に駆け付けた朝子が容疑者にされてしまう。
手がかりは風戸が遺した「女」「電話」「03」の言葉だけ。
事件の真相を追う朝子に、次々と災難が降りかかる――という話。
感想
プッシュホンのトリックが当時としては新しい。
これなんか2時間サスペンスになってても、おかしくないと思うけど。
まあ、プッシュホンの手はどこかで使っていそうだが。
あらすじ
裸で駅前の道路を走っていた一人の若い女性が、
突然苦しみ始めて倒れ、そのまま息を引き取った。
出勤途中にその様子を目撃した成城署の千種刑事が、
すぐさま駆け付けて聞いた最期の言葉は「デンワ、デンワボックスに」。
直接の死因は青酸カリを飲まされたものと見られ、
浮かんだ容疑者は二人。しかし、決め手がなくて――という話。
感想
ストリーキングって、自分らでもリアルタイムではない。
生まれたぐらいかねえ。野球場でたまに裸で乱入する人はいたけど。
出だしのインパクトは抜群だけど、
裸で走る理由は少々強引なような気がせんでもない。
設定は1時間刑事ドラマなら、バッチリだけどねえ。
あらすじ
古銭蒐集家が何者かに首を絞められ、殺された。
発見者、古銭マニアなど関係者が洗われるが、ことごとくアリバイ成立。
捜査が難航する中、解剖報告を丹念に調べて得た手がかりは――という話。
感想
クーラーというか、エアコンのトリックですわな。
一応、赤い霊柩車シリーズ第35弾「黒の審判」の原作らしい。
観てないからわからないけど、
エアコンのトリック以外はほとんど関係なさそうというか。
あらすじ読む限りでは、これはこれで面白そうだけど。