あらすじと感想
一言でいえば小説業界の内幕を描くブラックユーモア小説。
全部で12編あるのだがどれもこれも面白い。
常識破りな編集者もいればドラマ化に浮かれる売れない作家もいたり
まあそういうもんだろうねえと思える話ばかり。
明らかにこの人モデルと
わかる人もいたりで読んでて飽きが来ない。
こういうのって笑えないとただの内輪受けしかしないので
面白く書ける東野圭吾はやっぱり上手だなあと思う。
なかでも一番面白かったのが「小説誌」。
ある日、とある小説誌編集長の息子が職場見学ということで
数人でやってくるのだが、対応した部下がいろいろ突っ込まれる。
「小説誌って本当に売れてるの」とか「単行本にする時に書き直すのなら
完成品じゃない、そんなの売るのは詐欺じゃないのか」とか
「連載終了して単行本にならないのは失敗作、それを載せてる
小説誌は不良品じゃないのか」などなど。
たじたじになってた部下がついにキレて「作家たちの相手がどれだけ
大変だと思ってんだ!」と叫び息子がお父さんの仕事の過酷さを知る話。
一昔前の映画「バカヤロー!」を思い出す。
他には「最終選考」など賞を獲るまでの大変さ、獲ってからの大変さも
身に沁みる話ばかり。経験してみてわかることだが賞を取るまでより
獲ってからの方が大変だからねえ。賞味期限は一年しかないし。
それでもやるしかないんだけど。