球界の寝業師との異名をとり、
数々の伝説を残し辣腕を振るい、西武の黄金時代や
今日のソフトバンクの隆盛の基礎を作った野球人。
その活動を膨大な証言で検証したのが本書。
証言者は全部で20人。
工藤現ソフトバンク監督始め多くの野球人、
高校野球の監督から裏方に至るまで幅広い。
野球の話もさることながら人生論として興味深い。
西武の黄金時代初期に活躍した太田卓司さんにかける言葉が味がある。
「嫌いな人ほど電話の1本でもかけてごらん。全然、違うぞ」
「人間、本当のことを言うと角が立つ。でも、その角は削らなくてもいいんだよ。
(中略)要は、自分の性格はそのまま残していいんだから、それをね、
広げていきゃあいいんだよ。そうしたら角がなくなって、丸くなるじゃないか」
人間ってのは深いなあとつくづく思う。
また、ドラフト外などを駆使して巨人に対抗する戦力を揃えたことも時代を変えたし、
やはり王さんを福岡に連れてきたことが今日物凄く意義があったように思う。
これがなかったらパ・リーグの盛り上がりはなかったかも。
正直今はセ・リーグよりパ・リーグの時代。
何より関わった選手の多くが監督になっていたり。
人を育てるというか残すことの難しさがよくわかる。
手法には賛否両論あれど、野球界の発展に貢献したことは間違いない。
野球本であり、ビジネス本でもあり、はたまた人生訓でもある一冊。