フリーライター Sakamoto Norio ブログ

伝説の名作映画・木下恵介監督「死闘の伝説」を観る

1963年の松竹映画。村八分を通じて群集心理の恐ろしさを描いた作品。出演は加藤剛、岩下志麻、菅原文太、加賀まりこ、加藤嘉、田中絹代。あらすじ太平洋戦争末期、北海道の村に疎開してきた一家。その娘(岩下志麻)に村長の息子(菅原文太)との縁談が持ち込まれる。しかし、息子は評判の良くない男で戦地で起こした残虐行為を娘の兄(加藤剛)に目撃されていた。縁談は破談となり、その日から村人たちは一家に嫌がらせを始め
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名作・内田吐夢監督東映映画「飢餓海峡」を久々に観る

1965年の東映映画。監督は内田吐夢、原作は水上勉。出演は三国連太郎、高倉健、伴淳三郎、左幸子など。あらすじ1947年9月。青函連絡船遭難の日に犬養多吉(三国連太郎)は仲間2人と質屋一家を殺害し火を放った。そして函館から小舟で下北に逃げたのだ。刑事弓坂(伴淳三郎)は身元不明の水死体に疑問を持つ。しかし、結局事件は迷宮入り。それから10年が経った。舞鶴で犬養は樽見京一郎と名を変え、篤実な実業家として
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西村京太郎501「特急ワイドビューひだに乗り損ねた男」を読む

2012年出版の作品。映像化はまだなし。あらすじ東京で空き家の床下から男の白骨死体が発見。ポケットには2年前の高山行き「ワイドビューひだ13号」の切符。十津川警部は飛騨高山に向かう。すると7年前、市議の妻と駆け落ちして消えた男の話が。市議はその後、元大臣の娘と再婚し国会議員になっているという。果たして7年前に何があったのか?世界遺産登録を巡る詐欺事件もからみ、様々な圧力を跳ね除けて十津川警部が暴い
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笹沢左保「愛人岬」を読む

1981年出版の作品。1980年7月から1981年5月にかけて「女性自身」で連載。あらすじ丹後半島・犬ヶ岬の断崖で起きた連続殺人事件。被害者はホテル経営者の男と人気タレントの妻。被害者同士の接点が見つからないまま、容疑者として浮かんだのは男の友人・水沼だった。その水沼の愛人である香織は水沼の無実を証明するため奔走する。だが、そこで見つけたものは――という話。感想これまた完璧な密室と思えるアリバイ崩
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西村京太郎327「裏切りの特急サンダーバード」を読む

2002年出版の作品。映像化はまだなし。あらすじ大阪から北陸本線を走る特急サンダーバード。ある日、この列車が400人以上の乗員・乗客とともにジャックされた。犯人グループの要求は身代金なんと11億円。拒否した場合はサンダーバードを爆破するという。偶然車内に居合わせた北条刑事の協力を得て車内の様子を探る十津川警部。途中駅を通過し走り続けるサンダーバードの異変に気付き騒ぐマスコミ。犯人からの指示で11億
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西村京太郎83「オホーツク殺人ルート」を読む

1984年出版の作品。1990年に土曜ワイド劇場でテレビドラマ化。この頃は十津川三橋・亀井愛川コンビ健在。もっともメインはキンキンだったのだが。あらすじ売れっ子脚本家・有末の依頼で北海道へ取材代行へ出向く女子大生の由美とみどり。ところが、無事取材を終えた直後にみどりが行方不明になってしまう。一方、十津川の妻・直子の友人で作詞家の久仁子が失踪したと妹の江美から相談が。やがて久仁子は伊豆で死体となって
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西村京太郎319「しまなみ海道追跡ルート」を読む

2001年出版の作品。映像化はまだなし。あらすじ広島で手広く事業を行い東京進出してきた観光会社の末娘が誘拐された。身代金は5億円。犯人の要求はそれをライバル会社の社長の口座に振り込めという。岡山県牛窓の銀行で5億円を受け取った犯人はモーターボートで逃走。しかし、大型クルーザーと衝突し沈没してしまう。激怒した犯人は今度は6億円をライバル会社の東京支店寮に置けと連絡を入れる。人質が無事に戻ったのを確認
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傑作時代小説・笹沢左保「夕映えに死す」を読む

「問題小説」に1971年から1974年にかけて連載された7つの短編を収録したもの。「夕映えに明日は消えた」は東宝で映画化されたが内容が暗すぎるということで未公開となっている。内容は何らかの事情を抱えた初老(といっても30代半ばとかだが)渡世人としてはもう若くない連中が一話一話で死んでいく。なんともまあ物悲しい感じの話ばかりなのだが、カタルシスはある。さらにミステリ仕立てになっているものも多く飽きさ
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名作冒険小説・西村寿行「君よ憤怒の河を渉れ」を久々に読む

1975年発表の著者の記念碑的出世作。高倉健主演で映画化され、「追捕」のタイトルで中国でも公開。大ヒットとなった。2018年公開の映画「マンハント」の原作でもある。あらすじ東京地検のエリート検事である杜岡。しかし、強盗強姦の嫌疑をかけられ逃亡する羽目に。しかも、被害を訴えた女性、目撃者ともに殺害されその容疑者としても追われることになる。人の目を逃れ北海道に潜伏する杜岡。ヒグマに襲われた若い女性、真
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西村寿行「わらの街」を読む

「週刊小説」に1978年8月~1979年6月にかけて連載。当時は高額納税番付作家部門の常連というかトップに君臨していた。あらすじ香川の刑事である保月。ある日、ダイビング中に金塊を発見。密輸組織の仕業に違いないとにらんだ彼は手柄を独り占めして立身出世を図ろうとする。金持ちのボンボンである森戸をパートナーに捜査に乗り出した保月だが、敵は強大だった。逆に海底に沈められそうになり2人は何とか助かったものの
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