フリーライター Sakamoto Norio ブログ

石井輝男監督映画「黄線地帯」を観る

1960年の新東宝映画。主演は天知茂、吉田輝雄、三原葉子。いわゆる地帯シリーズ第3弾。あらすじ殺し屋の天知茂は無事依頼を済ませたが、待ち合わせのスナックに半金を取りにいくと相手はいない。おまけにパトカーがやってくる始末。要は裏切られたのだ。逃げる時に東京駅でダンサーの三原葉子を拉致。神戸行きの列車に乗るが、葉子と話していた恋人の吉田輝雄が追う。彼は新聞記者で葉子が応募したダンサーの仕事は、国際的な
>>続きを読む

伝説の名作映画・今井正監督「真昼の暗黒」を久々に観る

1956年公開の独立プロ映画。実在の係争中だった事件を映画化し強烈なインパクトを残した。原作は正木ひろし弁護士の「裁判官」、脚本は橋本忍。まだ審理中の事件を映画化するとは何事か、と裁判所から圧力をかけながらも屈せず作り上げた。キネマ旬報ベストテン第1位。あらすじ瀬戸内のある村で老夫婦が殺害された。事件を担当した検事は複数犯と断定し、最初に捕まえた小島を拷問。彼はチンピラ仲間4人のうち植村を主犯と証
>>続きを読む

今井正監督「また逢う日まで」を久々に観る

1950年の東宝映画。監督は今井正、脚本は水木洋子のゴールデンコンビ。キネマ旬報ベストテン第1位を獲得。主演は岡田英次と久我美子。ガラス越しのキスシーンが話題になった。あらすじ時は第二次世界大戦末期。空襲下で出会った田島三郎(岡田英次)と小野蛍子(久我美子)。三郎は学生、蛍子は画家の卵だった。必死に自分たちの小さな幸せを守ろうとする二人。しかし、戦時下の状況はそんなことは許してくれない。三郎は蛍子
>>続きを読む

横溝正史シリーズⅡ「仮面劇場」を久々に観る

1978年TBSで放送。全4回。原作では金田一耕助は出てこない。これまでで唯一のテレビドラマ化。あらすじフェリーに乗り合わせた大富豪の未亡人と知り合う金田一。未亡人の名は大道寺綾子(司葉子)。小舟で流されてきた謎の少年の面倒を見る綾子だがそこから血なまぐさい連続殺人事件が巻き起こる――という話。感想ま、一度しか映像化されていないのも無理はない。これほど金田一がアホに見える作品があっただろうか。てい
>>続きを読む

明智小五郎美女シリーズ1「氷柱の美女」を久々に観る

1977年放送の記念すべきシリーズ第一弾。原作は江戸川乱歩「吸血鬼」。ゲストは三ツ矢歌子、菅貫太郎、松橋登など。あらすじと感想冒頭から釣りをしている明智くん。ロクに働くつもりがないのはシリーズ最初からの伝統だったのね。そして見上げると三ツ矢歌子が。ナレーションで美しいだの魔性だの言いたい放題。仕事をせんか、仕事を。で、菅貫太郎VS松橋登の毒入りワイン対決があったり三ツ矢歌子の息子が誘拐されたりして
>>続きを読む

伝説のアクション小説・西村寿行「往きてまた還らず」を読む

1977年出版の作品。スケールのでかい傑作サスペンス。あらすじ警視庁特別捜査官の伊能は姉との約束を楽しみにしていた。しかし姉と会うはずだったホテルは爆破テロにより大惨事。伊能は姉を失いテロリストに復讐を誓う。敵は過激派か謀略組織の陰謀か。伊能は執念で手がかりをつかむがターゲットには逃げられ捜査官を首になる。新宿の次は上野が火の海と化し、来日中のインドネシア石油相は暗殺され政府は大混乱。背後で糸を引
>>続きを読む

伝説のデビュー作・清水一行「小説 兜町」を読む

1966年発表の著者のデビュー作。現代のように経済小説が一つのジャンルとして認知されていない時代に、その斬新な内容と発想が話題を呼びその後の経済小説の興隆を生んだ。あらすじ戦前、興業証券に入社したが兵隊にとられて退社。戦後、魚のブローカーとして働いていた山鹿に興業証券創業者の大戸から誘いがかかる。最初は渋っていた山鹿だが、結局興業証券に復帰。一からやり直した山鹿は神武景気・岩戸景気の中、独自の発想
>>続きを読む

伝説の名作・笹沢左保「死人狩り」を読む

1965年出版の作品。もともとは前年「平凡パンチ」に連載されていたもの。同年と1978年にドラマ化されている。特に1978年版は主人公の刑事に萩原健一、宇津宮雅代、中村嘉葎雄、山崎努など豪華な布陣。監督は工藤栄一、田中徳三。主題歌は柳ジョージ&レイニーウッド「雨に泣いてる weepinng In the Rain」。あらすじ伊豆海岸を走るバスに突然撃ち込まれる一発の凶弾。バスは乗客27人もろとも崖
>>続きを読む

長編企業小説・清水一行「系列」を読む

1992年出版の作品。1993年にNHKで連ドラ化され、翌年には続編が制作された。あらすじ1987年春――。自動車用照明機器メーカー・大成照明器のオーナー社長浜岡茂哉は海外事業部長の長男・祥吾とともに日本を代表する自動車メーカーである東京自動車の二宮副社長に呼びつけられた。一方的に社長交代を宣告され、経営権を奪い完全な管理下に置こうというのだ。いかに系列会社であるとはいえ、大成照明器は独立した企業
>>続きを読む

傑作社会派警察小説・相場英雄「震える牛」を読む

2012年出版の作品。BSE問題、食品偽装を扱った警察小説。2013年にWOWOWで連続テレビドラマ化。あらすじ身体を壊し警視庁捜査一課継続捜査班に所属する田川信一警部補。ある日、発生から2年が経ち未解決になっている事件の捜査を命じられる。「中野駅前居酒屋強盗殺人事件」がそれだ。2人の男が殺害された事件だが、当時の捜査本部は2人に面識がなかったことから犯人を金目当ての不良外国人に絞って捜査していた
>>続きを読む

記事作成・ライティングに関するお問い合わせ・ご相談

コピーライター育成オンラインアカデミー

最近の投稿

テーマ別

ページトップに戻る