1988年10月から11月にTBSで放送。全8回。
それまで「親子ゲーム」や「親子ジグ・ザグ」で主演し、
歌手だけではなく役者としての地位も確立していた長渕剛。
一転ヤクザを演じたこのドラマは、とてつもないインパクトだった。
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あらすじ
2年の刑期を終えてシャバに出てきた英二(長渕剛)。
ところが、迎えに来たのは弟分の常吉(哀川翔)だけ。
愛した女はとうの昔に去り、妹のあずさ(仙道敦子)は英二に反発。
大学を中退し、喫茶店で働いていた。
組のためを思って刑期を務めてきたのに、
親分(中野誠也)にはうとまれ、他の弟分が勢力を広げ
英二は完全に邪魔者扱いされることとなる。
兄弟分の鉄(石倉三郎)など数少ない協力者の中で、
英二は自分の信じる生き方を貫き通そうとするのだが――という話。
感想
バブルの時代でトレンディードラマが人気の中、
骨太な男の生き方を前面に押し出した画期的な作品。
主題歌「とんぼ」も大ヒット。
当時中3だった我々にとっては放送が毎週楽しみで
「とんぼ」をフォークギターで覚えることと
長渕キックはとにかく流行ったのである。
この路線はその後も映画「オルゴール」「ウォータームーン」、
テレビドラマ「しゃぼん玉」「RUN」と受け継がれていく。
同時に歌手としてはそれまでの路線と異なったことで
古くからのファンは離れる人もいた。
「とんぼ」以前、「とんぼ」以後みたいな言われ方もするが
ま、それはしょうがないといえばしょうがないことで、
正直どちらの路線も好きだし、いいものはいいですわな。
ホントにこの時期の長渕剛は自分ら世代にはカリスマだった。
ラストどんだけ血が出んねん、と思ったものだが。
あれはあれでやたらとリアルだった。
今でもカリスマ性は失われていないが、
そのきっかけとなったこのドラマはものすごく価値があるし、
現代社会に生きる人への強烈なメッセージでもあると思う。