1986年出版の歴史小説。
幕末の剣客、平手造酒を主人公にオールスター級の
歴史人物が関わっていくところが魅力。
あらすじ
千葉道場の四天王と呼ばれながら、
酒の上での出来事がきっかけで破門となった平手造酒。
江戸追放の身となって博徒の親分・繁蔵と知り合い、
笹川に身を置くようになってからも時々江戸に舞い戻り、
絵草紙屋の女、お絹と会っていた。
ある夜、平手は偶然に一通の連判状を手にすることに。
それは幕府の御政道を揺るがす内容だった。
平手は連判状を手にしたまま、お絹と笹川で暮らすが
連判状を追って老中・水野派、反水野派両者とも刺客を送り込む。
労咳で命尽きようとした時、平手は大利根河原の決闘に向かった――という話。
感想
平手造酒はもちろん、新門辰五郎から葛飾北斎から
時代を代表するさまざまな面々が絡んでくるのが楽しい。
特に連判状の隠し場所に関してはあっと驚くタメゴロー状態で、
さすがどんでん返しのスペシャリストの面目躍如と言えるだろう。
こういう「何でそれに気づかなかったのか」って思わされるのが
本格ミステリというか、トリックの魅力なのよね。
反面、途中は中だるみというか、
もうちょっと短くした方がすっきりするような。
新聞の連載小説ってどうしてもこうなるんかね。
歴史的な出来事と娯楽をうまく組み合わせたお手本的小説。