三好徹「大撃墜」を久々に読む

1984年刊行の長編ミステリ。
1983年に起きた大韓航空機撃墜事件がモデル。
東西冷戦時代に勃発した事件で、一つ間違えれば世界大戦に発展する可能性があった。

あらすじ

フリーの週刊誌記者である香月。
ある日、喫茶店で恋人の可奈子と待ち合わせていると
突然電話をしていた男が倒れ込んだ。

男は謎の言葉を呟いて意識を失う。
男が発した言葉から香月は事件の匂いをかぎ取り、取材を進めていく。

倒れた男はエア・コリア機撃墜事件の生存者ではないか?
香月は知らず知らずのうちに激化する国際諜報合戦に巻き込まれていく――という話。


感想

大韓航空機事件といえば1987年に起きた爆破事件と混同しがちだが、
ボーイング747がソ連領空侵犯したということで撃墜されたこの事件の方が先。

乗客269人が犠牲になった大惨事で、小学4年だったからよく覚えている。
いろんな説があり、何が本当なのかはいまだにわからないが
多くの人々が亡くなったという事実だけは消えることがない。

東西冷戦中ではあったが、多少雪解けムードになる中でのこの事件。
改善しては困ると考えた誰かが仕掛けた謀略なのだろうか。

時は流れてもいつまた同じような状況が引き起こされるか分からない。
そして自分がその犠牲になる可能性だって否定はできない。
世の中で起きていることで自分に降りかからないことなど何もないのだから。

事件を追い、その高い壁に逡巡しつつも
最後には再びその闇に飛び込んでいく主人公・香月のような存在になりたい。

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