1968年公開の東映任侠映画。あの作家三島由紀夫が絶賛。
監督山下耕作、脚本笠原和夫のゴールデンコンビ。
主演は鶴田浩二、助演は若山富三郎、名和宏。
悪役は金子信雄で女優陣は藤純子と桜町弘子。
任侠映画の美学の頂点を極めた、博奕打ちシリーズ第1作。
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
あらすじと感想
何の世界でも人間はしがらみの中で多かれ少なかれ生きているもの。
しかし、やくざの世界では特に顕著といえる。
墓地での雨の中のシーン、鶴田浩二が若山富三郎を刺すシーンなど
なんというか男の生きる姿を1つの美学にしている感じがたまらない。
女は女で男の犠牲にはなるけど心意気を見せてくれる姿が素敵すぎる。
興行的には成功した作品ではないけれど、
いまなおその評価が高いのは従来のパターンを越えた脚本の構成の見事さ。
さらに演技陣の熱演、そして監督の演出力である。
笠原さんは「アンタッチャブル」のような
スピーディーな感じをイメージして脚本を書いたらしい。
ところが試写を観てみると、スローなテンポに最初は辟易したとのこと。
だが、劇場で観てみるとそれがとても格調高く感じて良さになっている。
残る作品って意外とそういうものかもしれませんねえ。
微妙な人間関係のアヤのつけ方など、
シナリオを書きたい人にとってはまさにお手本のような作品。