日本映画ベストテンとか時々特集がありますが
必ずといっていいほど1位に輝いてきたのがこの黒澤明「七人の侍」です。
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あらすじと感想
劇場公開されたのは昭和29年(1954年)。
この年のキネ旬ベストテン第3位、
ベネチア国際映画祭銀獅子賞に輝いております。
ちなみにキネ旬ベストワンは木下恵介「二十四の瞳」、
5位には溝口健二「近松物語」など名作ぞろいです。
「七人の侍」は後に西部劇「荒野の七人」として
リメイクされるわけですがその他にも後世に与えた
影響の大きい日本だけではなく世界のアクション
映画史に燦然と輝く金字塔といえます。
なにせ撮影期間は約一年、予算は当時の1億3千万!
現在の金額に換算したらいくらになるのやら。
とにかく集団戦闘シーンが今見てもものすごい迫力で
特に最後の戦闘シーンは降りしきる雨の中という設定の
うまさとマルチカメラシステムの導入と編集の高い技術で
すさまじい迫力となっています(泥だらけのシーン満載なので
汚いという意見も聞いたことがありますが)。
キャラクターも個性が際立っていて野生児そのものの
菊千代を演じる三船敏郎、智将・島田勘兵衛役の志村喬は
もちろんですが、ストイックな剣豪・久蔵を演じた宮口精二の
評価が今でも非常に高いです。
ちなみに宮口さんはそれまで剣道経験ゼロだったそうで。
それでも圧倒的にリアルな存在感が出せる、これも映画の魅力ですね。
なぜこの映画が当時も今も人気なのかということですが、
当時大ヒットを記録した1つの理由は戦後しばらくは
占領軍の指示で時代劇はご法度だったわけです。
日本の伝統であるチャンバラを前面に出した娯楽活劇は
作れなくて欲求不満が溜まっていた時にバーンとこの映画が
出たわけです。今見ても面白い理由はまずスケールがでかい。
そして面白さ、ダイナミズムという点でハリウッドに勝るとも劣らない、
やっぱり本当に面白いものはいつ観ても面白いんだなあと感じます。
時間が3時間27分と少々長い方なので年末年始に観るのがおススメです。