初出は1976年講談社からの書き下ろし作品。
江戸川乱歩の明智小五郎、エラリー・クイーンのエラリー・クイーン、
ジョルジュ・シムノンのジュール・メグレといった推理小説史に残る名探偵が登場する
いわゆるパロディミステリ「名探偵シリーズ」4部作の最終作。
映像化はまだなし。できんわなそりゃ。
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あらすじ
「カーテン」におけるポアロの死を受けて
明智は孤島の別荘で追悼会をしようと各人に提案。
集まるクイーンら名探偵。
そこにポアロの息子と名乗る謎の男、マードックが現れる。
さらに海でヨットから放り出されたという若いカップル、
呼んでもないのにやってきた新聞記者とカメラマンなど
招かざる客が来るが孤島で海は荒れてるため追い返しようがない。
かくて連続殺人の幕が切って落とされる。
犯人は誰か、そしてマードックは本当にポアロの息子なのか――という話。
感想
いわゆる孤島のクローズド・サークルもの。
それまではアガサ・クリスティのエルキュール・ポアロも
登場していたのだが、クリスティ「カーテン」でポアロが
死亡するため、ポアロはいない。
その代わりと言うわけではないが、
ポアロのパートナー、アーサー・ヘイスティングスが登場。
オメーかよ、という感じがせんでもないが。
ちなみにミス・マープルからは丁重に参加できない旨の手紙が届く。
このあたりの細かさが面白い。
正直、犯人は普通にわかる。
そりゃそうだ、場所限定しといて名探偵除いたら絞られてくるわいな。
それよりもこういう作品書ける発想の面白さとか
名探偵それぞれの特徴をよくとらえた描写とかを楽しむべき。
簡単そうに見えて実は書くのめっちゃ難しいと思う。
推理小説ファンなら読んどくべきシリーズ。