異色のパロディミステリ・西村京太郎30「名探偵に乾杯」を読む

初出は1976年講談社からの書き下ろし作品。
江戸川乱歩の明智小五郎、エラリー・クイーンのエラリー・クイーン、
ジョルジュ・シムノンのジュール・メグレといった推理小説史に残る名探偵が登場する
いわゆるパロディミステリ「名探偵シリーズ」4部作の最終作。
映像化はまだなし。できんわなそりゃ。

あらすじ

「カーテン」におけるポアロの死を受けて
明智は孤島の別荘で追悼会をしようと各人に提案。

集まるクイーンら名探偵。

そこにポアロの息子と名乗る謎の男、マードックが現れる。
さらに海でヨットから放り出されたという若いカップル、
呼んでもないのにやってきた新聞記者とカメラマンなど
招かざる客が来るが孤島で海は荒れてるため追い返しようがない。

かくて連続殺人の幕が切って落とされる。
犯人は誰か、そしてマードックは本当にポアロの息子なのか――という話。


感想

いわゆる孤島のクローズド・サークルもの。

それまではアガサ・クリスティのエルキュール・ポアロも
登場していたのだが、クリスティ「カーテン」でポアロが
死亡するため、ポアロはいない。

その代わりと言うわけではないが、
ポアロのパートナー、アーサー・ヘイスティングスが登場。

オメーかよ、という感じがせんでもないが。

ちなみにミス・マープルからは丁重に参加できない旨の手紙が届く。
このあたりの細かさが面白い。

正直、犯人は普通にわかる。
そりゃそうだ、場所限定しといて名探偵除いたら絞られてくるわいな。

それよりもこういう作品書ける発想の面白さとか
名探偵それぞれの特徴をよくとらえた描写とかを楽しむべき。

簡単そうに見えて実は書くのめっちゃ難しいと思う。
推理小説ファンなら読んどくべきシリーズ。

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