ヒラリー・ウォー「失踪当時の服装は」を久々に読む

1952年発表のミステリの歴史を変えた一冊。
「警察小説」という新しいジャンルを切り開いた作品。

あらすじ

1950年3月、マサチューセッツ州ブリストル郡。
カレッジの一年生ローウェルが突然失踪した。
成績優秀で浮ついた話もない彼女に何があったのか。
地元の警察署長フォードの必死の捜査にも関わらず、捜査は難航。
やがてローウェルは水死体で発見される。
事故なのか、他殺なのか、それとも自殺か。
彼女は妊娠していた。
フォードは部下のキャメロンとともに
地道な聞き込みと推理で事件の真相に迫っていく――という話。


感想

ストーリーはシンプルを通り越してどシンプル。
なんたって若い女子大生の身にいったい何が起きたのか。
そんだけの話である。
特にサブストーリーがあるわけでもない。
ひたすら事件を追いかけ聞き込みし推理する。
間違えてたら立ち返って考えなおす。
そんな感じにもかかわらず面白い。キャラというか設定がしっかりしてる。
ある意味ドキュメンタリータッチともいえる。
さすが後々にまで影響を残している作品である。
ラストのフォードのセリフはシンプルだけど粋。
こういうセリフの使い方で締めくくる話を書きたいものだ。

ちなみに実際の未解決事件が作品のヒントになっているらしい。
著者は実際に事件にあたった関係者から話を聞いたそうだ。
ものを書くということはそんな地道なことの積み重ね。
ミステリの面白さは事件の面白さではなく、
人間の面白さが大事ということはこれまでも書いてきたが
そのお手本ともいえる作品。

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