1980年土曜ワイド劇場枠で放送された伝説のテレビドラマ。
原作は松本清張『小説 帝銀事件』。
仲谷昇、田中邦衛、中谷一郎、橋本功など俳優座の面々が総出演。
脚本は新藤兼人、監督は森崎東。いろいろ豪華。
あらすじ
占領下の日本。
1948年1月26日に、
帝国銀行椎名町支店に都の防疫班の腕章をした男が現れた。
男は近くで赤痢患者が出たと言い、
GHQの命令の名のもと行員たちに薬を飲むよう指示。
しかしそれは遅効性の毒薬で、12名が死亡。
捜査陣は二転三転しながら、
画家・平沢貞通(仲谷昇)を逮捕するのだが――という話。
感想
昭和を代表する未解決・冤罪事件である帝銀事件。
それを扱った本作は、ドキュメンタリータッチの
ドラマとしては最高峰ではと思うぐらい完成度が高い。
泉谷しげる主演『吉展ちゃん事件』は前年に放送。
下山事件の映画が1981年だったと思うから、
戦後の事件を振り返るみたいな空気感があったんかね。
初期の土曜ワイド劇場って振り幅が大きいというか。
本作のように硬派なものもあれば、
なんやったっけ巨大クモ出てくるみたいな作品もあったりして。
今日から見れば銀行強盗は二の次で、
薬物を使った人体実験だったことは間違いないような。
その構図は実は今日でもあまり変わらん気もする。
ホントのことは遠ざけられ、
嘘を大量に流して真実を覆い隠すとかね。
これもアメリカの機密文書とか解除されりゃ、
ホントのことが明るみになるんじゃないかねえ。
日本からはなかなか出てこんような気もする。