名作刑事ドラマ「Gメン’75」第34~36話を久々に観る

デアゴスティーニから発売の全話シリーズ第12弾。

第34話「警視庁の中のスパイ」

ゲストは田中真理、中野誠也、寺田農、堀田真三、桜井浩子など。

あらすじ

米軍の軍用拳銃横流し事件を追う小田切警視は、
黒人のGIをマークし暴力団銀鈴会にガサ入れを行った。

ところが、ブツはどこからも出てこない。
捜査情報を漏らすスパイがいると考えた小田切は、Gメンに協力を依頼。

捜査線上に浮かんだのは捜査四課の矢野警部補(中野誠也)。
矢野の動きを見張る津坂は、銀鈴会の息がかかったバーに矢野が入っていくのを目撃。

そこで働くホステス・節子(田中真理)は1年前、
雨が降りしきるなか津坂が助けた女だった――という話。


感想

これは昔再放送で観たような。
ラストの田中真理さんのセリフがインパクト大ですな。

初の6人体制となったこの回は津坂刑事がメイン。
当時、岡本富士太さんは中学生ではなく女子高生から人気が高かった。

職務と私情に揺れる津坂を厳しく諭すボスの存在感は抜群。
ゲストもおなじみのメンバーが多く、Gメンらしさが発揮されている。

しかし、クライマックスのあの距離で心臓ぶち抜けない
殺し屋ってものすごーく役立たずのような気がするのだが(笑)
あと、よくよく考えりゃヒドい話だよねえ。

第35話「豚箱の中の刑事」

ゲストは赤座美代子、樋浦勉、藤山浩二、中丸忠雄など。

あらすじ

山田刑事は5年前に夫を殺された被害者・明代(赤座美代子)を訪ねた。
加害者・工藤(樋浦勉)が自責の念を込めて彫った仏像を渡すためで、
工藤を逮捕した山田が明代を探し歩いて、やっと手渡しに来たのだった。

しかし、明代は受け取りを拒否。
当然と言えば当然で、仕方なく帰ろうとする山田。
その時、叫び声をあげて揉みあう男たちの姿が目に入る。

制止しようとした山田は一人の男が発砲してきたのを見て、
とっさに拳銃を抜いて反撃。

ところが、過剰防衛として結城警視正(中丸忠雄)に追及され、
山田は留置場に放り込まれてしまう。

撃たれた男が丸腰で無抵抗だったと明代が証言したからだった。
なぜ明代は噓の証言をしたのか。目的は何か。
山田の正当防衛を証明するため、Gメンたちが掴んだ真実は――という話。


感想

Gメン=社会派刑事ドラマというイメージに貢献した
名脚本家・西島大さんが今回から参加。

やっぱり構成が抜群に上手い。ドラマの押し方が上手いというか。
心情を丁寧に掘り下げていく感度の高いドラマ作りを教えてくれたお方。

節子役は俳優座花の15期生、赤座美代子さん。
この方が出演する刑事ドラマや時代劇をどれだけ観たことやら。
あまり幸せになった姿を観た記憶がない(もちろん役柄の話)。
住んでるアパートが平和荘ってのが何ともいえん。

加害者が樋浦勉さんというのもこれまたいいキャスティング。
なんとなく改心しそうだもの。映画『証人の椅子』にも出てましたな。
ブルース・ウィルスとか吹替をやってるイメージも強い。

第36話「女刑事を襲った男」

ゲストは丹波義隆、小野進也、稲野和子、児島美ゆき、大塚国夫など。

あらすじ

深夜に起きた交番爆破事件の捜査が難航する中、
小田切警視に駅まで送られ最終電車に乗った響刑事。

家までの帰り道に痴漢に襲われ負傷するが、
響が刑事だとわかった痴漢はバイクで逃走。

落としていったライターが会社の十周年記念だったことから、
そこでバイトしていた予備校生・岡本(丹波義隆)が痴漢と判明。

響と小田切は岡本家に向かうが、母親(稲野和子)は
息子は痴漢なんかじゃないと激しく拒絶する。

帰宅した岡本は母親に問い詰められ、
自分は過激派で拳銃を奪うために響を襲ったと嘘をつく。
しかし、その嘘が取り返しのつかない事態を招くことに――という話。


感想

丹波ジュニア初登場の回だが、残念ながら親子で共演するシーンはない。
親子共演でいえば後の火サス「夕陽よ、とまれ」の方が印象的。
あれもそんなに共演シーンがあるわけではないのだが。

それより丹波義隆さんといえば我々世代にはジャッカー電撃隊。
「スペード、ダイヤ、ヘイヘイヘへイ」ってOP曲が頭に流れる。

ジャッカー電撃隊とワイルド7・小野進也さんが組むわけで。
桜井五郎と飛葉大陸は正義の味方では物足りなくなったのだ、たぶん。

稲野和子さんは文学座でしたな。
ああいう和服で出歩く女性はとんと見かけなくなった。
児島美ゆきさん姉弟が住んでるのはまたまた平和荘。
常に事件が絡む平和荘。入れ替わりが激しいに違いない。

で、話はというとやっぱり設定が上手い。
小さな嘘が取り返しのつかない悲劇を生むという、身につまされるお話。
といって、正直に何でも話せば危険が回避できるというもんでもない。
人間社会って難しいとますます感じる今日この頃。

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