東映映画「やくざと抗争」を観る

1972年公開の東映映画。
東映東京撮影所が手掛けた実録路線の一つ。
原作・主演は安藤昇、監督は佐藤純彌。
菅原文太、渡辺文雄、近藤宏、藤浩子、渡瀬恒彦などが出演。

あらすじ

時代は昭和初期。
新宿の愚連隊リーダー、爆弾マッチ(安藤昇)は
舎弟分の勝(渡瀬恒彦)、政(藤竜也)、小光(堀田真三)と気ままな生活。

ところがある日、マッチはいきなり特高に連行され拷問を受ける。
過激な思想を持つ左派政党が起こした銀行ギャング事件に
使用された拳銃をメンバーの一人に売ったという容疑だった。

実はこの銀行事件は左派政党に潜り込んだスパイ・高山(渡辺文雄)が
革命のためにと若い党員をそそのかして起こさせたもの。
マッチが拳銃を渡したのは高橋だった。

拷問を受けたマッチは思想犯で収容されていた医師・白木(近藤宏)に助けられる。
釈放されたマッチは恋人の娼婦・お栄(藤浩子)のために
賭場で金を稼ごうとするが最後の最後で負けてしまい、
自ら賭場を開けば一帯を仕切る大木戸(天津敏)一家の
代貸・梅津(菅原文太)に顔と右腕を斬られてしまう。

その後、梅津と義兄弟の契りをかわしたマッチだが、
大木戸の事務所で高山の姿を見たことで新たな事態が巻き起こる――という話。


感想

実録・・・というか実在の事件などを繋げた映画ではありますな。
「大森ギャング事件」しかり、
衆院選に当選した白木が殺されるのは
犬養毅もあるけど山本宣治のイメージのような気がする。

タイトルと内容があまり合っていないような。
主人公は愚連隊だし、対立軸でいえば愚連隊VS地域の一家より
本質的には人を動かして暗躍している高山VS濡れ衣着せられたマッチだし。

その中で散っていく梅津、白木、お栄。
同じ愚連隊のメンバーの活躍がこれといってないのももったいない。

藤竜也さんは意外と気づかないかもしれない。
最後の黒い日の丸はなかなか怒られそうな気がする。

同じネタでも描き方というか人間のとらまえ方で変わるし
やっぱり軸ってのがないとアカンなあと勉強になった作品。

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