1960年公開の東宝映画。安保闘争の年の公開だったのね。
また松本清張のノンフィクション「日本の黒い霧」の連載が始まった年でもある。
監督は黒澤明、主演は毎度おなじみ三船敏郎。
出演陣も香川京子や三橋達也、志村喬などおなじみのメンバーに加え、
西村晃や菅井きんなどいろいろなアクセントが加えられ豪華。
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あらすじ
土地開発公団の契約課長補佐・和田(藤原鎌足)が逮捕されるという重々しい空気の中、
公団の副総裁・岩淵(森雅之)の娘・佳子(香川京子)と秘書・西(三船敏郎)の結婚式が始まった。
ところが、その雰囲気をさらにぶち壊す出来事が巻き起こる。
入刀用ケーキに行われていた細工、それは五年前に起きた課長補佐・古谷の自殺を暗示していたからだ。
和田は警察の厳しい取り調べをどうにか潜り抜け、
自殺しようと火山の火口まで辿り着くが、追ってきた西に止められる。
死ぬ代わりに和田が西に見せられたのは自分の葬儀。
職場の誰も自分の死を悲しんでくれないばかりか、
自殺してホッとしている様子に和田は少なからずショックを受ける。
和田に囁かれる西の誘惑の言葉。実は西は古谷の息子だったのだ。
西は公団契約課長・白井(西村晃)を追い詰めるなど復讐に踏み出すが、
彼の行く末には一人ではどうしようもない巨大な悪の存在が待ち受けていた――という話。
感想
ま、なんちゅうか世の中ちーとも進歩しとらんねえって感じ。
コロナで未曽有の危機になろうがお役所仕事は平和ボケだし、
トカゲの尻尾きりで都合の悪いことは忘れてもらいまショー。
似たようなシチュエーションをどんだけ見せられたら気が済むのよ。
与党も野党も大差はない。都合が悪くなりゃ互いに隠し合いみたいな。
結局損をするのは我々庶民なのよねえ。
閑話休題。
映画の話に戻るとまあスッキリはしない。
政財界にはびこる不正と構造的問題を暴こうという野心はわかるけど。
こういう題材ならやっぱり山本薩夫さんとかの方が上手いわな。
テレビ局もリメイクするならこれやればいいのに。
ま、新聞社もテレビも構造的問題にどっぷり浸かってたら無理か。
尖閣とか米中対立とか北朝鮮とか見てたら、いまや第三次世界大戦なみ。
平和ボケしとらんと、今が戦時体制ってぐらいの意識でおらんとねえ。
これまでのパンデミックの歴史を振り返れば、
コロナだって第二波、第三波が来るのは十分予想できるし。
最近地震も多いしねえ。オリンピックどころじゃないかもね。
日本の夜明けは…ていうか、自分自身明日がないぞ、ホンマに。
悔いの残らんよう頑張っていかんとなあ。
しぶとく生きるべ、しぶとく。全然映画関係ねえな(笑)
ま、そういう気分にさせてくれた映画ということで。観てよかった。