2008年出版の短編集。「湘南情死行」「恋と復讐の徳島線」「死への週末列車」「愛と孤独の宗谷本線」「青に染まった死体」の5編を収録。「湘南情死行」は恋人とデート中の西本刑事がクルーザーの爆発を目撃するところから事件に巻き込まれる話。西本らしいというか彼女の方がしっかりしていて事件解決のきっかけを作ってくれる。「恋と復讐の徳島線」は十津川警部がメイン。最近行きつけになった本屋の主人が急に姿を消した。
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1995年出版の短編集。表題作の他、「恐怖の湖富士西湖」「恐怖の清流昇仙峡」「恐怖の橋つなぎ大橋」の計4編を収録。「恐怖の海 東尋坊」は毎度おなじみ日下刑事巻き込まれ編。留守番電話に吹き込まれていた大学の同期の声。それは死者からのメッセージだった――という話。2013年にTBSで映像化。巻き込まれるのは西本刑事・堤大二郎。ゲストは大河内奈々子、湯江健之、石井めぐみなど。タイトルは「特急しらさぎ殺人
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1977年出版の作品。もともとは信濃毎日新聞に1971年12月から10カ月にわたり連載された「東から来た男」。主人公とそれを助ける周囲のキャラクターが魅力。あらすじテストドライバーの結城は、ある日試走車で事故を起こす。それがスクープされたことから、京都に身を隠す結城。だが、バーで知り合った美人が翌朝死体で発見される。死体のそばには結城の腕時計が残されていた。結城は自分のアリバイの証人となる失踪した
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1995年出版の作品。1997年にTBSで映像化。ゲストは斉藤慶子、根津甚八など。あらすじ真夜中に突然十津川警部宅に電話が。相手は8年前に逮捕した平野という男。平野は妻殺しで服役し出所したばかりだったがその殺したはずの妻を新宿で見かけたというのだ。翌朝会う約束をして眠りについた十津川だったが平野はアパートの部屋で惨殺死体で見つかった。壁には奇妙なマークと「文殊に聞け!」との血文字。これらはいったい
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1972年出版の作品。あらすじアイヌを先祖に持つ気鋭の民俗学者・若杉。ある日、勤務先の大学の実力者である大河内に与論島に行ったきり家に帰ろうとしない娘を連れ戻してほしいと頼まれる。その娘・亜矢子は若杉の教え子だった。無下に断りにくい若杉は与論島へ。ところが、着いた早々何者かに襲われてしまう。さらに同じ日、大河内が東京で殺害され現場には何と若杉が奪われた時計が置かれていた――という展開。感想初期に色
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1982年出版の短編集。「再婚旅行殺人事件」「あずさ3号殺人事件」「ゆうづる5号殺人事件」「新婚旅行殺人事件」の4編を収録。トラベル・ミステリー短編の傑作編という感じ。いずれも時刻表トリックをメインにしている。「再婚旅行殺人事件」は文字通り再婚旅行中に殺人が起きる。舞台は山陽本線・新下関駅近くを走っていた急行「さんべ3号」の車内。鳥取と下関・博多を結ぶ急行で長門市で分断され、一方は山陰本線経由、も
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1987年初出の作品。「兇悪」シリーズ初の長編。それまでの4冊は連作短編集で「兇悪の門」はじめ天知茂主演「非情のライセンス」の原作となった。あらすじニューヨークで日本人の若妻が射殺された事件。夫の尾形友一は多額の保険金を受け取り、三島安代と再婚した。しかし5年後、尾形は前妻殺しの容疑で逮捕され獄中へ。事件はマスコミをにぎわせた。警視庁特捜部の会田は安代と懇ろになったことからこの事件を追うことになり
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1980年出版の作品。兄の西村望の犯罪小説を彷彿とさせる衝撃の内容。あらすじ検事の郷名は死刑執行の立会に臨んだ。死刑囚・北岡の無実を処刑直前に確信するも時すでに遅く処刑は執行されてしまう。幼き頃、人買いに売られ奴隷生活を送り流転の人生を送った北岡。風が――冬の風が……。北岡が最後に遺した言葉は何を意味するのか?検事を辞め、北岡の過去を求めて旅に出る郷名。だが北岡の就籍地・宮崎で何者かに襲撃される。
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1973年出版の実質デビュー作。1980年に土曜ワイド劇場でテレビドラマ化。西郷輝彦、池上季実子、大坂志郎などが出演。観たいなあ。あらすじ汚職の疑いをもたれていた男が謎の変死を遂げる。さらに捜査線上に浮かんだ人妻が失踪。そして二週間後、東京から遠く離れた小豆島沖で溺死体になって発見。最愛の妻を奪われた狩野の怒りは収まらない。会社を辞め、妻の死の真相を追求することを決意。しかし、事件の背後にうごめく
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1998年出版の作品。2000年にTBSで映像化。ゲストは風間杜夫、渡辺梓など。あらすじ十津川の部下・三田村刑事はひな祭りの日に出会った彼女と3月末に三河湾にある西浦温泉に来ていた。ところが、彼女がホテルの従業員を刺殺して三田村の目の前で自殺。ショックを受ける三田村だが、捜査が進むにつれ同様の事件が東伊豆・河津七滝でも起きていたことがわかる。さらにさかのぼると長野・下諏訪温泉でも同様の事件が。怨恨
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