西村京太郎288「夜行列車の女」を読む

1999年出版の作品。TBSでも土曜ワイド劇場でも映像化されている。あらすじ寝台特急の取材に出たカメラマンの木下。隣の個室にいた若い美女・永井みゆきに興味を持つ。翌朝、道後温泉に行くといっていたみゆきが起きてこない。不審に思った木下は彼女の部屋を覗くがそこには死体が。その女性はみゆきとは別人だった。犯人と疑われた木下は証拠不十分で釈放される。東京に戻ってからも警察に付きまとわれたり迷惑千万な状況に
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西村京太郎14「殺意の設計」を読む

1972年出版の作品。主人公は矢部警部補。後に左文字進シリーズで出てくる矢部警部と同一人物かどうかは定かでない。1986年に土曜ワイド劇場で「人妻の背徳日記殺人事件」のタイトルでドラマ化。出演は石立鉄男、佳那晃子、村井国夫、平淑恵、小林昭二、池波志乃など。あらすじ新進画家の田島とその妻・麻里子。2人は幸せな結婚生活を過ごしていたがある日、田島の不倫を暴露した手紙が麻里子のもとに。半信半疑だった麻里
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時代小説の名作・松本清張「紅刷り江戸噂」を読む

1968年に刊行された時代小説短編集。「七草粥」「虎」「突風」「見世物師」「術」「役者絵」の計6本を収録。あらすじと感想「七草粥」は正月のお話。織物問屋の大津屋で七草粥を食べて集団食中毒事件が起きる。大津屋の主人、番頭夫婦が死に残されたのは若い妻。食中毒事件の裏には策略があった――という話。2015年にBSジャパンで映像化。出演は星野真里、布施博、田中幸太朗、川野太郎、西尾まりなど。「虎」は事件を
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アリバイ崩しの傑作・松本清張「時間の習俗」を久々に読む

1962年出版の作品。「点と線」の三原警部補と鳥飼刑事が再び登場。1963、1982、2014年と3回テレビドラマ化。あらすじ交通業界関連誌の編集者が弁天島で何者かに殺害された。彼が宿泊していた宿の女中は、女連れだったと証言。しかし、その女性の足取りはつかめず行方不明となっていた。有力な容疑者が見つからないまま時間だけが過ぎた。三原警部補は大手タクシー会社の専務・峰岡に目をつける。だが、峰岡には殺
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伝説の本格ミステリ・鮎川哲也「リラ荘殺人事件」を久々に読む

1956年から翌年にかけて雑誌連載された本格ミステリ。「りら荘事件」とタイトルが2種類ある珍しい作品。あらすじ埼玉県と長野県の県境にある大学寮「リラ荘」。夏休みも終わりに近づいた8月20日、リラ荘を訪れた日本芸術大学の学生7人。日高鉄子、行武栄一、尼リリス、牧数人、橘秋夫、松平紗絽女、安孫子宏。リラ荘に着いたその夜、橘と紗絽女の婚約発表が。だが、そんな幸せモードもつかの間、翌日、リラ荘そばの崖下で
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屈指の名作・松本清張「球形の荒野」を読む

1960年1月号から2年にわたり「オール読物」に連載された推理小説。1975年に映画化、テレビドラマ化は実に8回を数える名作。あらすじ旅で訪れた奈良の唐招提寺の芳名帳に外交官だった叔父・野上顕一郎の独特な筆跡に似た文字を見つけた芦村節子。大戦末期に某中立国で亡くなった叔父の筆跡がなぜ?節子はそのことを身内に話すも、誰も取り合ってはくれない。ただ野上の娘・久美子の恋人で新聞記者の添田を除いては――。
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伝説のデビュー作・赤川次郎「幽霊列車」を久々に読む

1978年出版の短編集。第15回オール読物推理小説新人賞受賞の表題作のほか、「裏切られた誘拐」「凍りついた太陽」「ところにより、雨」「善人村の村祭」の計5編を収録。「幽霊列車」は山間の温泉町に向かう列車から8人もの乗客が突然蒸発してしまう。この難事件を中年警部・宇野と推理マニアの女子大生・夕子がドタバタしながら解決していく話。初期の土曜ワイド劇場で岡本喜八監督で映像化。もはや伝説のドラマと化してい
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西村京太郎424「上野駅13番線ホーム」を読む

2007年出版の作品。2009年に土曜ワイド劇場で映像化。ゲストは金子賢、小沢真珠など。あらすじ失意のまま郷里の美唄に帰ろうとしていた本田。しかし彼は、上野駅で同郷の成功者・小池をはずみで殺してしまう。金を奪いカシオペアに乗り込む本田。美唄につくとすぐに入院していた母親が死去。彼は再び北斗星で上京するのだが、周囲でおかしなことが起き始める。一方、小池殺害の事件を担当した十津川警部と亀井刑事。ところ
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西村京太郎412「遠野伝説殺人事件」を読む

2007年出版の作品。映像化はまだなし。あらすじ製薬会社の元研究室長・佐伯。彼は心臓病の特効薬を開発したが、副作用で死者を出した責任を取って会社を辞めていた。その佐伯が特別天然記念物を無断採取した罪で突然逮捕される。彼の娘・加奈子が身元引受人となるが父親の態度に疑問を持つ。一か月後、佐伯が何者かに刺殺された。捜査に動いた十津川警部は今回の殺人事件の根っこは遠野にあると判断し現地に赴くが――という展
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砂糖業界の暗部に迫った作品・松本清張「溺れ谷」を読む

1964年から1年あまり小説新潮に連載された。タイトルの「溺れ谷」とは、かつて谷であった場所が海面上昇などの現象により入り江になった場所を指す言葉。要するに水面の下にはかつて陸であった複雑な地形が隠されている。なかなか見通すことができないのを利権の構図に例えているわけ。あらすじ三流経済紙の記者・大屋。彼の仕事は企業の提灯記事を書き広告料を取る仕事。いわゆる「トリ屋」である。彼は砂糖業界の風雲児・亜
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