松本清張「山峡の章」を久々に読む

1965年出版の作品。もともとは「主婦の友」に連載されていた小説。映画化はないがテレビドラマ化は4回されている。あらすじ女子大を卒業して1年ぐらいが過ぎた頃、昌子は九州への旅に出た。阿蘇などを回り、楽しんでいたところふと知り合った堀沢と吉木の青年二人。昌子は経済官僚の堀沢と結婚することになるが、エリートの彼との生活は少しずつ揺らいでいく。味気ない日々を送る昌子は、自由奔放に日々を楽しむ妹の伶子をう
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西村京太郎100「トンネルに消えた…」を読む

1985年出版の短編集。表題作のほか、「殺しの慰謝料」「見事な被害者」「タレントの城」「落し穴」「死の代役」「ヌード協定」「闇の中の祭典」の計8編を収録。表題作「トンネルに消えた…」は珍しい左文字進の短編。若い女性が消えた謎のトンネルで、テレビ局が女性タレントを起用して謎を解こうとするのだが、その女性タレントも忽然と姿を消す。その謎を左文字進が解き明かすという話なのだが、これが陳腐すぎて「何それ?
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印象に残る火サスの原作・佐野洋「狂った信号」を読む

1966年出版の作品。1984年に火曜サスペンス劇場でテレビドラマ化。主演は梶芽衣子、長門勇、三浦リカなどが出演。あらすじ女に手の早い自動車教習所の指導員が殺害された。続いて物産会社の総務部長が映画館で毒殺される。被害者のポケットには前の事件の新聞の切り抜きが。被害者同士に交流はなく、捜査陣は翻弄される。さらにバーのマダムが自宅で絞殺される。被害者の自動車には「オバケのQ太郎」の落書きが。どんな動
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取調室シリーズ3・笹沢左保「取調室3 敵は鬼畜」を読む

1997年出版の取調室シリーズ第3弾。同年に火曜サスペンス劇場でテレビドラマ化。いかりや長介主演の第7弾の原作で、ゲストは萩原流行だった。あらすじ佐賀県鳥栖駅で、女性警察官に保護された少女。不思議なことに彼女は三カ月前にも同じ場所に立っていた。その時は母親が迎えに来ていたが、今度は来ることがなかった。なぜなら母親は無残にも鳥栖市内の寂しい場所で焼き殺されていたからだった。東京からなぜ幼い少女は二度
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伝説の乱歩賞受賞作・西村京太郎2「天使の傷痕」を久々に読む

1965年出版の第11回江戸川乱歩賞受賞作。2001年に「女と愛とミステリー」枠でドラマ化。意外にも映像化はこの一度だけしかない。出演は村上弘明、遠野凪子、原田大二郎など。あらすじ武蔵野の雑木林でデート中の新聞記者・田島と恋人・昌子。楽しい時間のはずが、思いもかけない出来事に巻き込まれる。突然、胸を刃物で刺された瀕死の男が現れ、「テン」とつぶやいて息をひきとったのだ。すぐに捜査が開始されたが、現場
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名作ミステリ・泡坂妻夫「乱れからくり」を久々に読む

1978年第31回日本推理作家協会賞受賞作。幻影城からデビューしたばかりの新人が協会賞を受賞することは画期的なことだった。あらすじフライ級のボクサーだった勝敏夫。23歳でプロデビューできなかったのをきっかけに就職しようと宇内経済研究会の面接に来る。社長の宇内舞子は男勝りの性格。どういうわけか採用された勝は、舞子と共におもちゃ会社部長の馬割から受けた依頼を遂行する。馬割夫妻の車を尾行する二人だが、そ
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名作ミステリ・土屋隆夫「針の誘い」を久々に読む

1970年初出の千草検事シリーズ第3弾。1982年に火曜サスペンス劇場、1986年に土曜ワイド劇場でテレビドラマ化。火サスは北大路欣也、土ワイは片岡孝夫が主演。あらすじ事務官の家に寄りほろ酔い気分で帰っていた千草検事。ところが、その酔いを吹き飛ばす事件に遭遇することに。中堅製菓メーカー社長の一人娘が誘拐されたのだ。お手伝いが慌てて家を飛び出してきたところに出会った千草検事は直ちに警察に連絡を取る。
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傑作時代小説・結城昌治「斬に処すー甲州遊侠伝」を久々に読む

1972年出版の時代小説。それまで映画などで描かれてきた定番の清水次郎長が善、黒駒の勝蔵が悪という評価を初めて覆した画期的な作品として知られる。あらすじ上黒駒村の名主の次男・勝蔵。吃安こと竹居の安五郎の賭場で博奕三昧の日々。ぐれた生活を送っていた勝蔵は、自分のせいで姉の結婚が破談になったことを知る。戸倉の旦那に援助するからこの際自分の一課を構えてみたらどうかと打診された勝蔵は家を出ることを決意する
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伝説の長編デビュー作・西村京太郎1「四つの終止符」を久々に読む

1964年出版の初長編。東京の下町工場を舞台に、耳の聞こえない青年の「声なき叫び」を描いた今なお今日性を持つ社会派ミステリの傑作。1965年に「この声なき叫び」のタイトルで松竹が映画化、主演は田村正和だった。1982年には火曜サスペンス劇場で「影なき殺意」のタイトルでドラマ化。泉ピン子、国広富之らが出演。2001年には「女と愛とミステリー」枠でドラマ化。かたせ梨乃、高橋かおり、河相我聞らが出演。あ
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結城昌治「死んだ夜明けに」を読む

1970年出版の短編集。表題作のほか、「乾いた女」「歪んだ娘」「夜が崩れた」「熱い死角」「殺意の背景」「ヤクザな妹」の計7編を収録。「死んだ夜明けに」はオール読物1967年7月号掲載。ぐれてる頃の仲間で今は三者三様の生き方をしている3人組。疎遠になる者もいれば腐れ縁あり、まじめになる者もいれば変わらない者ありといった具合。ところが、仲間の一人・佐度井が絞殺死体で発見される。事情を知りたがる石津と特
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