1965年出版の作品。
もともとは「主婦の友」に連載されていた小説。
映画化はないがテレビドラマ化は4回されている。
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あらすじ
女子大を卒業して1年ぐらいが過ぎた頃、
昌子は九州への旅に出た。
阿蘇などを回り、楽しんでいたところ
ふと知り合った堀沢と吉木の青年二人。
昌子は経済官僚の堀沢と結婚することになるが、
エリートの彼との生活は少しずつ揺らいでいく。
味気ない日々を送る昌子は、
自由奔放に日々を楽しむ妹の伶子をうらやむが、
その伶子が失踪し、同じころ堀沢も失踪する。
新聞記者が昌子のもとを訪れるが、
突然のこと過ぎてとまどう昌子。
そして堀沢と伶子が宮城県山中で死体となって発見される。
不倫の果ての心中とみなされ、堀沢にはスパイ疑惑も。
昌子は二人の死の真相を確かめるため、
現地を訪れてがかりをつかむのだが――という話。
感想
後半の展開は急ぎ足ながらも面白い。
特に終盤の意外な登場人物にはあっと言わされる。
しかし、とにもかくにも前半がだるい。
なんせ堀沢と伶子が死んだとわかるのが
200ページ越えてからの話なのだ。
ま、そういうところを差し引いても
妹の死の真相を追う昌子の成長物語でもあり、
エリートに対する冷徹なまなざしでもあり、
はたまた隠れた謀略機関を暴く話でもありと
盛りだくさんな内容なのでドラマにはしやすかったのかも。
というわけで1970年、1972年、
1981年、2010年と4回テレビドラマ化。
1970年版のキャストは
浜美枝、原田芳雄、菅貫太郎、大谷直子。
たぶん昌子、吉木、堀沢、伶子なんだろうけど観たいな、これ。
1972年版は「火曜日の女」シリーズ。
このシリーズ、DVD化になってる作品もあったけど、
こんなん入ってたかね。
大空眞弓の昌子はちょっと違うような。
1981年版は土曜ワイド劇場。
音無美紀子、小野寺昭、目黒祐樹、風吹ジュン。
視聴率28%かあ、凄いねえ。
この前の週が美女シリーズ「白い乳房の美女」で
次の週が西村京太郎「終着駅殺人事件」ってのは
なかなかのゴールデンラインナップですな。
2010年版は金曜プレステージ。
菊川怜、岡田義徳、平岳大、星野真里。
4つとも観たことないから何とも言えんが
確実なのは女子大卒業して1年ぐらいの感じの人が
誰もいないってことかねえ(笑)