2010年初出の小説。
深津絵里×浅野忠信×黒沢清で映画化。
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あらすじ
3年間失踪していた夫・優介が突然帰ってきた。
しかし本人は海の底で蟹に食われたと語る。
この間どうしていたか話してくれと語る優介にとまどいながら
瑞希は優介と共に死後の軌跡を遡る旅に出る――という話。
感想
何とも不思議な話である。
幽霊と会話しているわけだがなぜか不自然さを感じない。
ちょっとでも引かれたらたちまち読む気が失せそうなところを
うまいことくぐっていく小説とでもいうか。
ただ好き嫌いは別れるのかな。
娯楽性ややたら感動作を求めると違うかも。
でもこれが現代の小説なのだ。
離れていた人の知らない素顔を一緒に旅をすることで
知っていく話というのは特に目新しいものではないが
こういうタッチもありなんだなと思った。
ありがちな慟哭もなければ恨んだり後悔したりとかもない。
ただ淡淡と。
でもだからこそ命の大切さとか人を愛することへの思いが伝わる。
これはこれで上手い。
これがどういう風に映画になってるのか興味が沸いてきた。
深津絵里好きだし。