1982年刊行の時代小説。
竹中半兵衛をメインに取り上げた初めての作品。
こういうとこも笹沢左保の先見の明が感じられる。
あらすじ
若干17歳で美濃国菩提山城の城主となった竹中半兵衛。
貴公子然とした美男子でありながら、
色白で腺病質な感じがするところから
「青びょうたん」と陰口をたたかれていた。
だが、斎藤家を支える重心の一人、
安藤範俊は娘の阿古を嫁がせる。
半兵衛は安藤の予想通り、兵法に熟知し
各方面から引く手あまたの軍師として名を成していく。
立身出世には興味がなく、
天下を動かす軍師でいたいというのが
半兵衛の「生きる張り」であり男道であった。
信長と秀吉の天下人への道を支えながら、
宿痾ともいうべき労咳に倒れた半兵衛36年の生涯とは――という話。
感想
面白い。
戦国時代の中で、先を読む目の大切さ、
情報の分析力、周囲を動かす人間力というのは
いつの時代でも参考になるものだ。
秀吉の出世に大きく貢献しながらも
次第に猜疑心が強くなり変心していく
秀吉への批判も描かれているところが興味深い。
秀吉と劉邦って似てるんかもしれんね。
食料の補給の大切さを理解しているとこなんかは
蕭何を連想させるし、傑物というのは時代を超えるものなのかな。
恬淡と自分の運命を受け入れていく姿勢もいい。
「生涯の長短ではなく、いかに生き、いかに死ぬかによって、
男道というものは決まる」と語る半兵衛はとても魅力的。
半兵衛とお市の方の話なんかもロマンがある。
こういう話書きたいなあ。