1985年出版の誘拐ミステリ。
吉敷刑事シリーズ第5弾。
誘拐犯が身代金を受け取らない意外性が魅力。
あらすじ
プロ野球ジャイアンツのエース・川口の子供が誘拐された。
身代金は一千万。吉敷刑事は犯人からの指示で振り回される。
しかし、誘拐犯は突然身代金を放棄。さらに子供を開放。
事件は一見落着に見えたが、捜査一課は釈然としない。
吉敷刑事は引き続き事件の真相を辿っていく。
そこで明らかになった真相とは何か――という話。
感想
誘拐ミステリの魅力は身代金受け渡しのアイデアにあるが、
そもそも身代金を犯人が放棄するという展開が新しさ抜群。
公衆電話を転々とさせて刑事を走り回らせるのは
「ダーティーハリー」以来の伝統芸かねえ。
元祖は「ダーティーハリー」と言われているが、
それ以前にもあったのかどうか。
出だしのインパクトは素晴らしいのだが、
それ以外はうーんという感じもする。
犯人像がイマイチというか、
それどうよというか事件の背景にあるものがねえ。
まあでもこういう野心的な作品って大事やね。