伴野 朗「坂本龍馬の写真―写真師彦馬推理帖」を久々に読む

1984年初出の短編集。
幕末のプロカメラマンとして知られる上野彦馬を主人公に
史実を織り交ぜ様々な人物を登場させている画期的なミステリ。

あらすじ

表題作のほか、「ビーナスの写真」「人斬り半次郎の写真」「幽霊の写真」
「凧の写真」「丁汝昌の写真」「ニコライ皇太子の写真」の計7編を収録。

表題作「坂本龍馬の写真」は長崎に来ている坂本龍馬が街の噂に。
龍馬は彼を追ってきた京都所司代同心殺しの嫌疑をかけられてしまう。
その嫌疑を晴らし、真犯人を指摘する彦馬――という展開。


感想

めちゃくちゃ面白い。
歴史上の人物を登場させるお手本のような作品。

いずれも彦馬のカメラの前に立った人物に絡む事件を
彦馬やその仲間たちが解決していくのだがうまい。

歴史の背景や登場人物の立ち位置、
彦馬の専門である撮影と写真処理の発展により
事件解決に導いていくストーリーも抜群。

当時の幕末の長崎の様子、明治へと変化していく様もわかりやすい。

乱歩賞受賞作「五十万年の死角」以来、
歴史ものの名作を多く送り出しどちらかといえば
長編のイメージが強い著者だが短編もうまいのね。

新聞記者出身の作家ってうまいんだけど
エンターテインメント性にはイマイチ欠けるなあと
思っていたけどこれはすごく面白い。

これ連ドラでやればいいのにねえ。
こういう作品書きたい。

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