結城昌治「修羅の匂い」を久々に読む

1990年出版の連作ハードボイルド。
表題作のほか、「脅迫者」「事件の陰に」
「擦れ違った顔」「血の陰影」の計5編を収録。

一人で調査事務所を経営している流木。
4階建ての古ぼけたビルに入居しているのは曲者ぞろい。

四階は組を解散した男が経営する怪しげな商会、
三階は悪徳法律事務所と税理士の事務所、
二階は流木の事務所と結婚相談所、進学塾の分室。

彼のところに持ち込まれる依頼が、やがて事件に発展していく。

「脅迫者」は個人経営者が妻の様子を調べてくれと依頼に。
いったんは断った流木だが、その妻が殺人容疑で逮捕。
否応なしに事件に巻き込まれていく流木だったが――という話。


「事件の陰に」は結婚相談所からの依頼。
別れたがっている夫婦がいて、その夫の浮気を調べてほしいという。
ところがその夫が殺されてしまう。
しかも、愛人と予想した女性とは違う人の家で――という話。


「擦れ違った顔」も結婚相談所からの依頼。
幸せな結婚生活を送っているはずのまじめな男が、
遊びを覚えてハマってしまい浮気相手が死体で発見されたというのだ。
依頼を受けた流木は事件を探るのだが――という話。


「血の陰影」は四階の元組長が依頼に。
一人娘の様子がおかしいので調べてくれというのだ。
いったん断った流木だが、娘の友人が殺害され
容疑者として娘が浮かんだらほっておくわけにもいかず――という話。


表題作「修羅の匂い」の依頼は悪徳弁護士。
大手メーカーの子会社の社長が妻の様子がおかしいという。
ほどなくブティック経営者が殺され、彼女に嫌疑が。
流木は事件の背後を探っていくのだが――という話。


いずれも悪くないが物足りなさも残る短編集。

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