逢坂剛「コルドバの女豹」を久々に読む

1982年初出の短編集。

オール読物推理小説新人賞に輝いた「暗殺者グラナダに死す」、
表題作「コルドバの女豹」、「グラン・ビアの陰謀」
「サント・ドミンゴの怒り」、「赤い熱気球」の5編を収録。

あらすじと感想

「暗殺者グラナダに死す」は西部劇を思わせる設定。
フランコ時代が終わったものの、治安は以前のままの街・グラナダ。
そこに流れてきた一人の日本人。そして彼と関わる者たち。
エル・ガローテと呼ばれる悪役がどうそこに絡むか。
右翼と弾圧的な警察がはびこる街で、悪を退治するのは誰か――。

「コルドバの女豹」は内戦時に銀行の頭取が隠した財産を巡る話。
右から左からいろんな人間が絡む謎めいた展開。
果たして宝探しを成功させるのは誰か――。

「グラン・ビアの陰謀」は内務大臣の取材に訪れた日本人。
この女性ジャーナリストが暗殺事件に巻き込まれてしまう。
ラストの切れ味が印象深い短編。

「サント・ドミンゴの怒り」は冒険活劇サスペンス。
クーデターを起こした治安警備隊の大佐救出に暗躍する組織。
大佐が監禁されている病院にたまたま入院している
日本人ギタリストが否応なく事件に巻き込まれていく――。

「赤い熱気球」はスペイン北部で猛威を振るう謎の肺炎。
その正体を突き止めようとするものが次々と殺されていく。
果たして事件の裏にあるものは何か――。
収録作品のなかでもっとも冒険活劇的な話。

いずれもスペインを舞台にした名短編集。
鮮やかなどんでん返しもあったり、中身の濃さが特徴。
百舌シリーズより、こっちを映像化してほしい。

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