1964年出版のハードボイルド。
生島治郎のデビュー作である。
あらすじ
戦時中の部下とともに会社を経営する久須見。
久須見の仕事は入港中の船に食料や寝具を納入することだ。
朝鮮動乱による景気時に、
暴力団がらみで密輸の仕事を持ちかけられるが
きっぱりと断った久須見。
だが、その落とし前で片足を失う羽目になる。
それから月日が流れ、景気も会社も傾き加減。
資金繰りに困る中、謎の女の紹介で
危ない綱渡りの資金を手に入れることに成功する。
しかし、部下の妻が誘拐され
借りたばかりの700万は身代金でパーに。
そして取引先に向かった部下は殺され――という話。
感想
日本のハードボイルド史を語るうえで必ず出てくる作品。
片足になりながらも癖のある連中と渡り合う
久須見のキャラクターが素晴らしい。
ま、ストーリーでいえば今日から見れば
そこまで真新しいというほどのことはない。
真犯人が誰かは読み慣れているものなら見当がつく。
しかし、そこかしこにある雰囲気というか
ハードボイルドならではのセリフはさすがである。
設定置き換えれば今でも十分映像化できると思うんだけどねえ。